スポット 2025.11.25

スポットニュース

経済ニュースからこぼれた気になる話題を記者の視点で紹介。

天職に一所懸命

 女のくせに。冷ややかな視線や声に屈することなく、わが信じる道をしなやかに切り開いてきた。コンサルを手掛けるキャリアフォーカス(安佐南区)の棚多里美代表は11月11日、県中小企業家同友会広島エリア女性部会で講演。女性経営者ら30人から盛大な拍手を受けた。
 広島県庁職員だった頃、雇用労働情報サイト「わーくわくネットひろしま」や女性起業塾の立ち上げなど、新たなチャレンジを実現してきた。2009年に湯崎英彦知事が就任以降は子育て支援や働き方改革を推進。地域ケア部長や働く女性・子育て支援部長などを歴任し、県男女共同参画財団常務理事を経て19年に独立した。
「入庁当初は女性が雑務を担うのが当たり前とされた時代。子どもを授かっても仕事を辞めないことに周囲は首をかしげた。各配属先では、これが天職と一所懸命。しかし仕事は一人でできない。対話から信頼と変革が生まれる。女性が活躍する社会のために天職を全うしたい」
 常に前のめり。母親の姿を見ていた3人の子どもが独立を応援してくれた。

業務効率化を推進

 中国5県をエリアとする第三者指定確認検査機関のハウスプラス中国住宅保証(中区国泰寺町)は、12月1日付で福山市の入舟町に8カ所目の支店を開設する。
 5人体制でスタートさせる。4月からの省エネ適合関連や建築基準法改正を受け業務量が増大。備後エリアでも審査・検査員が不足し、新築住宅の着工が滞っているようだ。中国5県も今年度上半期は着工件数が平成以降の最低ペースで推移しており、全般的に1カ月以上待ってもらう状況という。
「改正前は申請から着工までおおむね1週間だったが、型式認定が不可となり審査工程数は以前の約3倍増に。現在の建築基準判定資格者は約60人で、昨年から2級建築士の社員に建築確認適合判定の資格を取得するよう勧めている」(広報)
 戸建て住宅の申請件数が90%以上を占める。業務効率化を図り岡山支店ではウェブカメラなどを使うリモート確認検査を検証中。相本栄治社長は、
「ハウスメーカーや設計事務所向けに、審査業務がスムーズにはかどるよう新法に対応した設計図の作成をセミナーなどで呼び掛け、業界ぐるみで対応していきたい」

後輩のUターン促す

 同窓の縁はあなどれない。同志社校友会県支部は、広島で就職を希望する同志社大学生と地元企業に勤める卒業生との懇親会を12月27日午前11時半からリーガロイヤルホテル広島で開く。
 和やかに食事しながら第一線で活躍する人たちの話を聞いてもらい、広島で働く良さを伝える。昨年は学生15人と経営者や若手社員ら55人が参加。マツダ会長で同支部の菖蒲田清孝支部長が、
「頼れる先輩とのきずなは必ず役に立つ。被爆後、皆が隣の人のために何ができるかを考えて支え合い、復興を果たした広島のプライドや温かさを感じてもらいたい」
と語り掛けた。
 過去10年、広島出身の同大入学者は毎年150人程度で、Uターン就職率は16〜30%と推計。懇親会での出会いをきっかけに広島企業へ入社する人が少しずつ増えてきたという。先輩の姿が学生らに勇気を与えているのだろう。

インク香料を活用

 化粧品製造販売のヤマサキ(中区)は、つけペン用ボトルインク製造に使用される香料の一部をセーラー万年筆(呉に本店)から引き受け、朝用ヘアケアアイテムに使う取り組みを始めた。
 セーラー社は9月、果樹園を連想させる「シャイニングガーデン」など3種の香り付きインクを発売。仕入れロットの関係で余ってしまう香料を有効活用したいと打診を受け、検討していた。広島創業の両社は2019年にプレゼントキャンペーンを展開した経験がある。
 ヤマサキ西風新都工場見学の来場者向けに行う無料のヘアスプレー香り付け体験で、11月14日からインクと同じ香りを選べるようにした。3カ月〜半年分の香料がなくなるまで続ける。ヤマサキの担当者は、
「使用者の日常を豊かにするという両社の商品コンセプトが共通し顧客層も近い。セーラー社の製品を使って工場見学のアンケートを書いてもらうなど、相互送客につなげたい」
 セーラー社の香り付きインク発売は1970年代ぶり。香水のような奥行きのある香りとそれをイメージさせる色の両立に向けて試行錯誤を重ねた自信作で、ヘアスプレーの制作体験者の評判も上々のよう。

島ごころに優秀賞

 尾道市の島ごころが製造販売する「瀬戸田レモンケーキ島ごころ」が「フードシフトセレクション」優秀賞を受けた。
 農水省が推進するニッポンフードシフト事業の一環で、地産地消または国産農林水産物の消費拡大、みどりの食料システム戦略の推進、家庭備蓄の市場拡大、インバウンド消費拡大という四つの視点から産品を募集し、表彰する制度。選定商品には認定マークの使用が認められる。
 同社は、一つのレモンからレモンケーキに使うレモンピールだけでなく、果汁、レモンパウダー、エッセンシャルオイル、フローラルウォーターの5種の素材を同時に製造。通常50%を超えるとされるレモン加工後の廃棄率を数%以下に削減した。2023年のG7広島サミットでも提供された。
「瀬戸田高校でのレモン植樹など地域貢献も行っています。11月21日には東京・銀座に新店舗を開店。地域ブランドを発信していきます」(同社)

舞う人に勇気を

 県民文化センター(中区大手町)が主催する〝夜神楽〟定期公演がすっかり定着してきた。国内外からの観光客を楽しませる。
 一方で、中山間地域にある道の駅舞ロードIC千代田(北広島町)のレストラン響で月1回、日曜午後4時から開く定期公演「神楽の日」も毎回、満員近くの観客で埋まり、新たな観光振興拠点とする構想が持ち上がっているという。
 2013年に神楽の日をスタート。北広島には60以上の神楽団があり、日本一ともいわれる。大会で優勝した大塚神楽団、筏津神楽団などが名をはせる。定期公演はその都度、出演団体と演目が変わりファンを魅了。道の駅で買い物をした当日分レシートを提示すると、先着80人が無料で鑑賞できる。町商工観光課の大成純一郎係長は、
「広島を訪れた観光客を北広島へ呼び込む手はないかと考えた。広島神楽の本場に近く、神楽を満喫できるようレストラン響で神楽ディナーショーを計画している。ゆくゆくは神楽公演付き宿泊プランも打ち出したい」
 北広島も神楽の担い手不足が加速し、10年で約10団体が姿を消した。広島〜北広島をめぐる神楽ツアーで再び、舞う人の心を勇気づけてもらいたい。

この記事はいかがでしたか?

関連記事

料金プランへの誘導バナー・デザイン差し替え

おすすめ記事

広告
広告

最新ランキング(2026.3.24更新)

企業データベース