スポット 2026.01.13

スポットニュース

高みを見据える

 やめた方がいい。何度言われても、志は折れなかった。
 中小店舗向け決済サービスを手掛けるストアーズ(東京)取締役の佐俣奈緒子さんを招いたトークイベント(中国経産局主催)が昨年12月、広島国際会議場であった。
 安佐北区出身。米決済大手ペイパルを経て、2012年に前身のコイニーを設立。スマホの普及を背景に市場拡大を見込んだが、道のりは険しい。決済端末を自社製造していたこともあり、初期資金2000万円は早々に底をついた。
「20代で実績も信用もなく、投資家や周囲から撤退を勧められる毎日。それでも、社会に必要な事業だという思いがよりどころとなった」
 10年分の事業計画を練り、多くの人と会って丁寧に説明を重ねた。次第に支援者が増え、調達資金は7500万円、13億円、80億円へ増えた。後に楽天などの巨大企業が参入しても、「市場に魅力がある証」と前向きに受け止めた。
 一方、育児との両立に悩み、会社売却を考えた時期もあった。家事代行やシッターの活用、会議の削減で乗り越えた経験から、
「大変なのは数年。コストをかけても、越えられる体制をつくることが重要だ」
 女性起業家にエールを送る。
 24年度の売上高は146億円。社会になくてはならないインフラへと育て、ゆくゆくは1000〜2000億円を掲げる。高みを見据え続ける姿勢が成長の源泉なのだろう。

この記事はいかがでしたか?
県内約2,500社の企業・決算・役員情報などを検索!

関連記事

おすすめ記事

最新ランキング(2026.5.9更新)

企業データベース