スポット 2026.01.13

スポットニュース

経済ニュースからこぼれた気になる話題を記者の視点で紹介。

まだ発展できる

 2025年はトランプ関税のほか、人件費や原材料の高騰、さらにカキの大量死などが地域経済を直撃。
 廿日市商工会議所の渋谷憲和会頭(シブヤ会長)は、
「今年も依然として経済状況は厳しい。それでも、廿日市市はまだ発展できる」
 と力を込める。昨年10月末に再任されて3期目に突入。官民一体の「廿日市市産業まちづくり委員会」を軸にした伴走支援を続ける。セミナーなどを通じて外国人材の活用を推進。「日本で一番環境にやさしい市」の旗印を掲げ、環境配慮型経営を後押しする。昨年5月に市、広島ガスと立ち上げた新電力会社を通じ、再生エネルギーの地産地消にも乗り出す。
 昨年の宮島の来島者数は、過去最多だった前年(485万4369人)を上回る水準で推移。今年は宮島の世界遺産登録から30年を迎え、夏には宮島口に星野リゾートの開業も予定される。周辺地域への誘客を通じたオーバーツーリズム対策や、インバウンド受け入れ体制整備を急ぐ。
 逆風の中でも地域の底力を信じ、あちこち駆け回る多忙な丙午になりそう。

 

重荷を背負ってこそ

 テイケイ西日本(中区)は1月4日、ANAクラウンプラザホテル広島で新年互例会を開いた。中国地方の地場警備会社として業界トップに迫る勢いを見せており、士気を鼓舞する〝やるぞー、やるぞー〟の掛け声で新年のスタートを切った。
 昨年9月に県東部と岡山西部を営業エリアとする太陽警備(福山市)と資本提携し、成長戦略を加速する足場を確保。2027年には節目の50期を迎える。海田英昭社長は、
「100年続く会社の実現を掲げ、目標必達の決意を繰り返し伝えてきた。人の確保が極めて難しい時代を迎えている。一方で、警備業界も淘汰にさらされる可能性が高い。人材の確保・定着こそ企業存続の要。何よりも人を大切にする経営を本気で実践していく」
 と宣言。前5月期決算は過去最高の売上高39億7200万円。今上半期も前期を上回るペースで推移しているという。創業者の原田博男会長は、
「次元の高い目標を成し遂げている。全従業員の努力のたまものと感謝している。力があるから重荷を背負えるのではなく、重荷を背負うから力が出る」
 新年の目標を記した短冊を手にする社員の一言挨拶の後、目標に向かって誠実に行動し成果を上げた社員を表彰。海外演奏でも人気を博した山田流宮下社秀会大師範、北垣内さんらが奏でる琴の音色が会場に華を添えた。

 

高みを見据える

 やめた方がいい。何度言われても、志は折れなかった。
 中小店舗向け決済サービスを手掛けるストアーズ(東京)取締役の佐俣奈緒子さんを招いたトークイベント(中国経産局主催)が昨年12月、広島国際会議場であった。
 安佐北区出身。米決済大手ペイパルを経て、2012年に前身のコイニーを設立。スマホの普及を背景に市場拡大を見込んだが、道のりは険しい。決済端末を自社製造していたこともあり、初期資金2000万円は早々に底をついた。
「20代で実績も信用もなく、投資家や周囲から撤退を勧められる毎日。それでも、社会に必要な事業だという思いがよりどころとなった」
 10年分の事業計画を練り、多くの人と会って丁寧に説明を重ねた。次第に支援者が増え、調達資金は7500万円、13億円、80億円へ増えた。後に楽天などの巨大企業が参入しても、「市場に魅力がある証」と前向きに受け止めた。
 一方、育児との両立に悩み、会社売却を考えた時期もあった。家事代行やシッターの活用、会議の削減で乗り越えた経験から、
「大変なのは数年。コストをかけても、越えられる体制をつくることが重要だ」
 女性起業家にエールを送る。
 24年度の売上高は146億円。社会になくてはならないインフラへと育て、ゆくゆくは1000〜2000億円を掲げる。高みを見据え続ける姿勢が成長の源泉なのだろう。

〝健口〟な年に

 加齢とともに飲み込む力が衰え、誤嚥性肺炎リスクが高まる。健康長寿は〝健口〟こそ原点。医療機器、医薬品製造販売のジェイ・エム・エス(中区)は気軽に舌の力を鍛える用具「ペコぱんだ」の3歳以上の子ども用を一昨年に発売。ECサイトでも購入でき徐々に利用が広がっているという。
 年寄りだからと柔らかい食べ物に偏り、仕方ないと諦めて嚥下困難になる前に対策を講じたい。一般向けに開発した舌圧トレーニング機器「ペコじーな」は、小さなバルーンを舌で押しつぶすと舌の力を3段階で表示し、見える化。トレーニングのモチベーションも引き出せるという。
「ペコじーなは専用アプリを利用して、げた飛ばしや魚釣りのゲームと連動し楽しみながらトレーニングを継続してもらえる。若いうちから習慣化して食べる力、話す力を養ってもらい、加齢に負けない健康な日常生活を支えたい」(経営戦略室)
 一方、2011年発売の医療機器「舌圧測定器」は対象とされる患者の舌圧検査の診療報酬算定に使われる。20年からは海外向けもスタート。舌圧測定器をはじめ摂食嚥下関連製品を韓国や欧州向けに展開し、今後はアジア地域や米国も視野に入れる。飲食中にむせ返る前に健口対策。幾つになっても食べる喜びは世界共通。

高校生ビジネスプラン

 日本政策金融公庫が主催する「第13回高校生ビジネスプラン・グランプリ」で、広島県では唯一、県立広島叡智学園高校の白川帯さんがベスト100に入った。
 全国の高校生・高専生639校5640件の応募から選ばれた。
「人猪( ひといのしし)」のタイトルで、地元民と観光客が大崎上島全体で鬼ごっこ形式のリアル脱出ゲームを楽しむ体験型イベントを提案。「大崎上島では人口よりイノシシが多い」、「イノシシが泳いで海を渡る」などの記事に着目し、プランを練った。観光客を「人猪」、地元運営側を「蛇人」と設定。島内の飲食店利用や観光などのミッションをクリアし、フェリーでの脱出を目指す。鍵の入手などで特産品の獲得もできる。チケットは一人7500円。
 白川さんは、
「観光客を呼び込み、関係人口を増やす。学生の地域社会参画や未来の担い手育成にも寄与したい」
 と夢を描く。

女子野球部と協定

 男性の監督にとって女性選手をどう指導すればよいか、戸惑うことも多いという。
 昨夏の全国大会で史上初の16強入りした県立佐伯高校(廿日市市津田)の女子硬式野球部は昨年12月、作業療法士の視点で安全な家づくりを助言するハプロット(同市)の間で選手をサポートする協定を結んだ。藤井朋樹監督をはじめ、部の指導者は全員男性。生理に伴う体調変動や厳しいトレーニングによる変調、骨粗しょう症などの健康問題があるものの、男性だけで適切な指導、対応が行き届かないという課題を抱えていた。
 ハプロットの満元貴治社長の夫人・優香さん(理学療法士)は企業向け女性健康支援事業「ウェルマップ」を展開しており、トントン拍子で話がまとまった。月に一度は同校で90分ほどのセミナーを開くほか、チャットアプリで個別相談も受ける。
「私自身も高校までバスケに打ち込み、同様に苦しんだ。痛みやつらさは個人差がある。無月経は練習に打ち込んだ証とされた。今も生理に対する正しい理解が求められていると痛感。県内外に発信していきたい」

県美で写真展

 私が撮り続けてきたのは、人びとの生活や顔である―。
 広島県立美術館で2月8日まで特別展「木村伊兵衛 写真に生きる」がある。歌舞伎などの舞台写真やヨーロッパ滞在時の作品、秋田の農村を捉えたシリーズなど約165点を展覧。小型カメラ・ライカの名手として名をはせ、写真史に大きな足跡を残した木村の活動をたどる。

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