スポット 2025.11.10

スポットニュース

経済ニュースからこぼれた気になる話題を記者の視点で紹介。

島根と広域観光へ

 欧米豪を中心にインバウンドでにぎわうものの宿泊が伴わず、消費額が小さい通過型観光地と言われる広島の課題をどうやって解消するのか。
 隣りの岡山、鳥取両県が行政エリアを越えた広域観光事業を推進。これに対し島根と組み、観光客の滞在日数を増やせないか画策していた広島商議所・都市機能強化委員会の山下泉委員長(ゼネラル興産会長)は、
「東京・新橋駅前に岡山と鳥取の合同アンテナショップがある。物産販売や観光案内を展開しており、一方で広島は銀座にアンテナショップTAUがあるものの単独。できるだけ速やかに島根と連携した観光事業のPRを進めたいと考えた。まずは広島市から比較的近い石見地域に絞り、両県や関係市も巻き込み、提案や理解も得ながら広域観光へつなげたい」
 松江や出雲へは広島市内から車で3時間以上かかる。まずは2時間圏内の石見地域に狙いを定め、2023年から視察を重ねている。現地の自治体らと意見交換するうち双方で抱えている課題が連携事業で解決できる可能性も見えてきた。
 10月22日は石見銀山を視察。マイクロバスで特別に手前まで乗り付けて坑道「大久保間歩」も見学。山下さんが同間歩に入った最高齢者と話題になったらしい。御年89歳。いよいよ元気だ。

草の根交流

 1984年9月に広島県と中国四川省が友好提携を締結し、その日に発足した広島県日中親善協会(中区)は政治や経済の動きに左右されない民間交流を続けている。
 10月27日にあった広島経営同友会(三村邦雄会長)の例会で、親善協会の加藤義明会長が「中国の地方(四川省とその周辺)」と題し、講演した。
 発足以来、高校生や大学生の相互派遣、語学講座、留学生支援などを重ね、近年は毎年県内の高校生約10人を派遣する。2000年度に四川で始めた植林事業は延べ約402万本を植え、住民と共に森を育てる。現場で交わされた笑顔や会話が互いの心を結ぶよりどころという。12年の会長就任から毎年のように四川を訪れる加藤さんは、
「習近平政権は本格的な社会主義現代国家の構築へかじを切った。しかし政治や制度が変わっても草の根で積み重ねた人と人の信頼は揺るがない。木を植えるように時間をかけて育てる交流こそ、永遠の隣人である中国との未来をつくる」
 今年度は現地の大学生で構成される四川省友好青年団の受け入れを予定。サイクリングや文化体験などの準備に余念がない。気負うことなく、とうとうと語る日中友好の姿が永く続くことを願う。

快適な旅の思い出

 街なかで、大きなキャリーケースを引きながら歩く姿が目立つようになった。大方は観光客なのだろう。短い距離ならともかく、ごろごろと歩き続けるのはつらい。
 身軽に街歩きやショッピングを楽しんでもらおうと、広島のタクシー会社が立ち上がった。つばめ交通(東区牛田本町)、カープタクシー(南区大州)、宝塚かもめタクシー(東区山根町)の3社が共同し、11月4日から配車アプリ「GO」でワゴンの手配サービスを始めた。乗客5人分の座席やスーツケース4個を積載できるトランクを備える。荷物の多い旅行者たちがタクシー2台を手配していた煩わしさも解消される。
「3社で計24台体制を組み当初は中、南、西、東区をカバー。順次広げ、どこからでも速やかにワゴンサービスが利用できるようにしていきたい」(GO担当者)
 アプリ上で乗車地を入力し「大型ワゴン」ボタンを選ぶだけ。運賃と別途に料金必要。住民の買い物や会社員の出張利用も見込む。旅行者には快適な広島の思い出を持ち帰ってもらいたい。

マイクロバス寄贈

 広島デルタライオンズクラブ(大田恒三会長)会員で在宅介護事業などのマグネット(府中町)の西川吉三社長は11月17日、広島皆実高校バスケットボール部に遠征などで利用してもらおうと25人乗りマイクロバス1台を寄贈する。
 西川社長は長年、同校バスケ部OG・OB会会長を務め、来年のデルタLC結成65周年を機に寄贈を思い立った。
「現役時代、移動には公共交通機関を利用して時間もかかり、身体的にも負荷がかかっていた。今は遠征の都度、バスを貸し切り保護者の負担も大きいと伺っている。少しでも部活動の経費を軽減し、入部の敷居が高くならないようにと考えた」
 全国優勝を果たしたこともあるサッカーをはじめ〝スポーツの皆実〟といわれる。「勤勉・強行・責任・自由」を校訓とし、文武両道を目指す。部活動を通じて経営に必要な判断の連続性・継続性の大切さも学んだという。デルタLCは、県赤十字血液センターや県立広島病院などに備品などを寄贈。西川社長の思いに賛同して一部協賛も負担した。

デザインを活用

 市は10月28日、「第19 回ひろしまグッドデザイン賞」表彰式を市役所で行った。意匠性や機能性に加え、今回から新たに社会性や地域性、新価値という審査基準を設定。115点の応募の中から35点が選ばれた。
 県内からは、美しい景観とサステナビリティー(持続可能性)を実現した浮桟橋「DEARBLUE」(モルテン)や、医療現場の課題に着目した「知覚入力型インソール」(県立広島大学発ベンチャーのASI)、地域資源の米を使った広島発祥の麺「おこめん」(おこめん工房)などが受賞。今後、東京での展示販売や市の広報紙とホームページでの紹介などを通じ、全国へPRされる。松井一実市長は「企業ブランドの構築や経営にも戦略的に利用されるなど、デザインを活用する場は年々広がっている」
 みんなをワクワクさせる、心に響くデザイン力で、広島発ブランドに新しい息吹を吹き込んでほしい。

サッカーと平和

 広島経済大学は10月31日、独のサッカークラブ・シュツットガルトで取締役兼営業本部長を務めるルーヴェン・カスパーさんを招いた講演会「国際スポーツサロン」を開いた。
 数々のサッカークラブでマーケティングや営業を経験し、2022年から現職。自動車メーカーなどのスポンサーがアジア市場を重視する中、昨年に日本ツアーを企画した。広島ではサンフレッチェとのピースマッチをはじめ、子どもやカープ選手との交流イベントなどを実施。同クラブの選手全員で平和公園を訪ねて慰霊碑に献花し、SNSで平和メッセージを発信した。
「ドイツも日本も敗戦後にサッカーが人々の団結を促し、復興の一端を担った歴史がある。スポーツは国籍や言葉を超えて多様性や平等の精神を伝えることができる絶好のツール。今こそこれを使わない手はない」
 このほか、ホームゲームの度に持続可能性などのテーマを設けて啓発イベントを展開。がんを患う子どもとの交流やホームレス支援などの活動にも力を注ぐ。来年はバイエルン・ミュンヘンへ移り、伊藤洋輝選手を連れた親善試合で再来日したいと意欲を燃やす。

春めく光の中で

 3月31日、尾道市の福本渡船が130年以上にわたり尾道と向島を結ぶ渡船を運航してきた歴史に終止符を打った。その最後の姿を収めた石井清一郎監督の映画「春めく光の中で」上映会が11月8日、西区民文化センターであった。
 カメラマンとして広島市内の舞台撮影などをメインに、エディオン蔦屋家電フォトコンテストで受賞経験もある石井監督による短編作品。
「カメラ好きな高校生が通学中、渡船上で見知らぬ女性と会話した後、家にあった箱から出てきた写真にその女性が写っていた…」という物語。広島出身の野間愛希さんが主役を務める。
 当日は石井監督の作品「夢の轍」なども同時上映した。チームイシイ広報担当は、
「尾道の街並みや廃止された渡船は映像記録でもあり、地元出身のヒロインが演じる青春映画は幅広い世代に見てもらえると思う。次の上映や配信を検討したい」

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