利き酒師集う
吟醸酒発祥の地と伝わる東広島の酒都、西条に、熱烈な日本酒ファンの利き酒師が世界から集った。
日本酒サービス研究会(東京)が10月10〜11日に「利き酒師フォーラム2025」を東広島市内で開催。国内だけでなく台湾や香港、シンガポール、米国など8の国や地域も合わせて計128人が参加し、日本酒の原点に触れた。
同研究会は、日本酒造組合中央会などが消費者に官能評価をどう伝えるのがいいのか、かんかんがくがくと議論を重ねる中、1991年に設立した。当初から酒類総合研究所(同市)との関わりが深い。今回は初めて酒類研究所での講義と実習が実現。研究員が成分と香りの関係を教材に解き明かし、参加者は香りを聞くように、その一滴、一滴を確かめていた。

精米機メーカーのサタケ(東広島市)を訪ね、米を磨く技術の細やかさに息をのんでいた。市内9蔵とのテイスティングでは、蔵ごとの香りの違いに目を見張り、〝土地の味〟と語り合う声が会場いっぱいに響いた。酒づくりの技術が凝縮された西条で、五感を研ぎ澄ませる時間となったようだ。
海外で活動する利き酒師の多くは日本酒を仕入れ、現地の飲食店などに販売する立場にある。
「今回は酒まつりを訪れ、造り手や地域の熱気を肌で感じることができた。味や香りだけでなく、酒を取り巻く日本文化そのものを伝えることの大切さに気付く、貴重な機会になった」という。
同研究会の認定者は世界で5万人を超え、海外だけでも年間2000人の認定者が誕生している。新興国への広がりも視野に入れる中、西条で身近に触れた体験が再び海を越えて語り継がれていく効果に大いに期待したい。
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