地域経済 2026.04.21

中国運輸局など 広域周遊・滞在型観光を促す 体験や公共交通活用で消費額高める

 県内で、文化体験や公共交通を軸にした広域周遊・滞在型観光の機運が高まる。県の総観光客数はコロナ禍で落ち込んだ後、2024年に3年連続増の6473万9000人と回復。観光消費額5918億円、1人当たり9141円で過去最高を記録した。コロナ直前の19年と比べても1508億円、1人当たり2579円増加。一方で国内の他の主要観光地と比べるとまだ低く、伸びしろは大きい。

 中国運輸局は3月にモデルルートを公開した。例えば竹原市の町並み保存地区を起点に大崎上島へ渡り、地元グルメ、しょうゆ醸造見学を楽しみ、温泉や歴史施設を巡る。安芸太田町の「井仁の棚田」など自然景観を組み込んだルートでは都市部から中山間地域への誘客導線を明確化。バスや航路を組み合わせることで島しょ部含む広域周遊を促すとともに、乗客増による交通インフラ維持につなげる狙いもある。

 また、自然や文化、アクティビティーを組み合わせたアドベンチャーツーリズムの推進も掲げ、25年2月に同市場の拡大を目指す「中国アドベンチャートラベルネットワーク」を結成。活動を通じて、山陰・せとうち地域が国際商談会「アドベンチャーウイーク2026」の開催地に決まった。海外の旅行会社やメディア関係者を招き、1週間程度の体験ツアーや商談会を通じて、長期滞在型商品の販売拡大を図る。

 コト消費の需要が高まる中、ストーリー性を重視した商品造成も促す。北広島町では「神々と生きる町」という物語を打ち出し、神楽団による芸北神楽の鑑賞や面の絵付け体験、景勝地への旅程などを組み合わせた実証事業を行った。

 大きな消費行動が見込めるインバウンドの取り込みも欠かせない。24年の県内外国人観光客数は421万5000人で過去最多を記録。19年と比べ145万5000人増えている。JR西日本などが取り組む「せとうちパレットプロジェクト」も追い風となりそうだ。プロジェクト第2弾で、インバウンド向け体験サービス「Wabunka」を通じて広島・岡山・香川の3県をまたぐ15の新規プランが追加された。第1弾と合わせ28件がそろう。JR西日本の鉄道網を活用し、複数地域を横断する広域周遊を促す。武家茶道・上田宗箇流の体験プログラム、尾道で茶文化を巡るプライベートツアー、呉市川尻町で伝統工芸の川尻筆を制作し書道する企画などを用意。地域文化の深層に触れる内容で、高付加価値志向のインバウンドへ訴求する。

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