
造船のマリンクラフト風の子(呉市倉橋町重極、阿部洋和社長)は6月、造船で培った繊維強化プラスチック(FRP)の加工技術を生かし、風力発電プラントの部品製造を強化する。新たな事業の柱と位置づけ、年5基分程度の受注を目指す。
製造するのは、風車上部の発電機や増速機、制御装置などを入れる箱型のカバーと、羽の中心部を覆うキャップ。これまで試作や単品を請け負ってきたが、量産に向けて今春から型の製作に着手した。大きいFRP製品はゆがみが出やすく、細かな寸法の調整や補強が必要になるという。船舶で同素材を扱っており、経験を役立てる。本社工場に3年ほど前に導入したNC加工機を活用。
発電プラントを手掛ける国内事業者から5基分を受注済みで、今後はより大型な部品への対応を検討する。同様の部品の多くが海外製で、品質や安定供給の面から国内生産のニーズが高まっているという。
同社は1979年に創業し、オーダーメードでクルーザーや漁船を製造。設計から製品化まで一貫対応し、新造船が売り上げの7~8割を占める。4~5年内をめどに自社ブランド船の製造・販売を計画しており、今回の部品製造を通じて量産ノウハウを蓄積する狙いもある。職人不足を背景に、業務の標準化で生産性を高める。収益源を分散させて経営の安定化を図り、6年後に現在から倍の売上高6億円を掲げる。