スポット 2025.11.17

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経済ニュースからこぼれた気になる話題を記者の視点で紹介。

利き酒師集う

 吟醸酒発祥の地と伝わる東広島の酒都、西条に、熱烈な日本酒ファンの利き酒師が世界から集った。
 日本酒サービス研究会(東京)が10月10〜11日に「利き酒師フォーラム2025」を東広島市内で開催。国内だけでなく台湾や香港、シンガポール、米国など8の国や地域も合わせて計128人が参加し、日本酒の原点に触れた。
 同研究会は、日本酒造組合中央会などが消費者に官能評価をどう伝えるのがいいのか、かんかんがくがくと議論を重ねる中、1991年に設立した。当初から酒類総合研究所(同市)との関わりが深い。今回は初めて酒類研究所での講義と実習が実現。研究員が成分と香りの関係を教材に解き明かし、参加者は香りを聞くように、その一滴、一滴を確かめていた。


 精米機メーカーのサタケ(東広島市)を訪ね、米を磨く技術の細やかさに息をのんでいた。市内9蔵とのテイスティングでは、蔵ごとの香りの違いに目を見張り、〝土地の味〟と語り合う声が会場いっぱいに響いた。酒づくりの技術が凝縮された西条で、五感を研ぎ澄ませる時間となったようだ。
 海外で活動する利き酒師の多くは日本酒を仕入れ、現地の飲食店などに販売する立場にある。
「今回は酒まつりを訪れ、造り手や地域の熱気を肌で感じることができた。味や香りだけでなく、酒を取り巻く日本文化そのものを伝えることの大切さに気付く、貴重な機会になった」という。
 同研究会の認定者は世界で5万人を超え、海外だけでも年間2000人の認定者が誕生している。新興国への広がりも視野に入れる中、西条で身近に触れた体験が再び海を越えて語り継がれていく効果に大いに期待したい。

働きたいを応援

 業種を問わず人材不足が続く中、子育て世代とシニアの〝働きたい〟を応援する就職ガイダンスがある。
 ハローワーク廿日市・広島労働局・廿日市市産業まちづくり委員会が主催し11月21日午前10時から廿日市商工保健会館で開く。
 3年前から始めた合同企業説明会で過去2回は〝宮島で働く〟がテーマだった。子どもが主役のまちを掲げる市は10年連続で転入超過を記録。特に0〜9歳と30代の子育て世代が突出し、定住が進んでいることに着目した。一方で高齢化が進む中、健康なうちは働きたいという就労ニーズも高まっていると見る。
「子育てと仕事の両立を支える制度や、柔軟な働き方の導入など、多様な人材が働きやすい職場が求められている。企業対象に働きやすい職場づくりを推進するセミナーを8月に実施。生産性向上や人材確保に成果を上げるには、年齢やライフスタイルにとらわれない人材活用が不可欠。ガイダンスでは企業と求職者が直接対話しニーズをつなぐきっかけを創出したい」(同市)
 入場無料、年齢不問で履歴書不要。参加企業は、5月に始めた登録制度「はつかいち子育て応援宣言企業」68社のうち、ユースエール認定企業2社を含む18社=アンツリー、WOODPRO、ウッドワン、ギケン、くさのみ福祉会、ケミカル山本、チチヤス、中国興業、津田製作所、特別養護老人ホーム清鈴園、アマノ病院、廿日市交通、広島精機、藤い屋、フマキラー、大野浦病院、モーツアルト、ユダ木工。飛び入り参加も大歓迎。

車から人へ

 車両情報はむろん、顧客は何を必要としているのか。軽自動車専門店のサコダ車輌(佐伯区五日市町)は、生活者の立場に視点を置いて新しい管理システムを独自で開発。営業や整備などの部門を超えて情報共有できるようになり、手応えを得ているという。
 年間約6000台を販売し、2027年9月期で売り上げ200億円を見込む。新システムは森岡真也常務が主導し、23年からセールスフォースのクラウドを使った基幹システムの開発に乗り出した。試行を重ね、クラウドPBX(回線がなくてもPC環境で電話できる)とAIを連携させたシステムがようやく4月本稼働。どこに着眼したのか。森岡常務は、
「これまでは車両管理システムで顧客情報を管理していたが新システムによって顧客に軸足を置いた管理ができるようになった。例えば、子どもが免許を取ったから車が欲しい、家族が増えた、車に不具合がある、といった情報を担当部門を超えて共有。顧客は何を求めているのか、あるいは本人も気付いていない潜在需要は何か。履歴を含めて全社員が一覧することで把握できるようになる。何よりも顧客に寄り添う意識、仕組みが回り始めた意義は大きい」
 医者は、病気ではなく患者を診ることが大切という。むろん車も顧客ファースト。1983年の創業来、車は生活に役立つ、生活を豊かにする移動手段として提供している。

人生設計を基に計画

 2016年開業したFAMZ税理士法人(中区舟入町)は9月に法人化し、同時に新設した東京支社に続く拠点を来期、岩国市へ開く予定。士業ならではだが、社員の希望を踏まえた計画という。
 当初は岡崎純也代表が豊富な人脈を持つ、交通結節点の岡山で構想していた。ところが岡山勤務を望む社員がいなく、先々Uターンを考えている岩国出身の幹部社員に思い当たり、ライフプランも考慮して方向転換した。岡崎代表は、
「今春、クライアント企業で働く社員たちの人生設計を基に事業計画を作成する『ライフライン経営』支援をスタートさせた。その点からも社員の思いを無視するわけにはいかない。人生設計に沿った事業展開で意欲を高めることが、着実な業績アップにつながると確信している」
 今後、九州方面などへも拠点を展開する計画だが、関西は大阪よりもおしゃれな神戸にしたいという。これは代表の希望だろう。

手仕事に感銘

 東京でスタイリング講座を営む白杉端子さんは11月22日、今夏に立ち上げたファッションブランド「ユジュストーリー」のPRイベントを中区小町のギャラリーイチブンノイチで開く。
 リネン素材にこだわった洋服を作る中区のアトリエカオ(野村香代表)と連携し、リネンのファッション小物や衣類を扱う。第1弾は秋冬も使えるポンチョストール4色(各3万9600円)をラインアップし、同イベント限定のカーキ色も用意。しなやかな手触りで厚手のヴィンテージリネンを使う。手作業でフリンジ(房飾り)を施し、タグの縫い目が見えない処理など細かい点まで工夫を凝らす。当面は受注生産で年内に通販を始める。白杉さんは、
「7年前に野村さんと出会い、やりとりや手仕事の丁寧さに感銘を受けたのが協業のきっかけ。時間がたつほど味が出る、本当に良いものを届けたい」
 イベントはスタイリング講座や撮影会(午前10時半〜午後1時半、2900円)と、展示会(午後2時半〜6時、無料)の2部。

垰田さんお別れの会

 機械商社ビーテック相談役だった垰田眞さんのお別れの会が11月10日、リーガロイヤルホテル広島であった。
 祭壇にピースサインの遺影があり、好きだったジャズの生演奏と絵画などに囲まれて多くの参列者が献花していた。同志社大学を卒業し、井上エム・テー・ピー(現イノアックコーポレーション)を経て1981年に入社。94年に創業者の父・明さんの後を継ぎ社長に就く。中国で合弁の大連ビーテックを設立するなど海外展開を図り、中区大手町の旧本社へ移転。業容を拡大した。2011年7月に脳溢血で倒れたがリハビリを経て復帰。19年に会長、22年から相談役を務めていた。9月17日に他界。73歳だった。
 10月に中区大手町から安佐南区大塚西へ新築移転。旧本社の社長室の本棚には海外出張の折に読んだ文庫本約400冊が並んでいた。天候不順で13時間も空港待機したエピソードなどをざっくばらんに話してくれた。

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