助け合って60年
鋼材の加工・販売を手掛ける藤栄鉄工(西区商工センター)は今年11月、創業60年を迎える。顧客の困りごとに耳を傾け、同業と助け合いながら事業を拡大してきた。
1966年、中区河原町で創業。建築資材の切断を生業としていたが、受注難から一時はエアコンの取り付けでなんとか食いつないだ時期もあった。その後、顧客のニーズに応えて曲げ、穴あけ、表面処理の一種のショットブラスト、溶接やその強度を上げる面取り(開先加工)、レーザー加工へと間口を広げ技術力を高めた。取引先は商社や鉄工所、鉄骨製造業者、同業ほか自動車業界に及ぶ。
今は西風新都、安佐など4工場を稼働。業界では珍しい24時間体制を敷く。2028年には廿日市市平良の工業団地に新工場を構え、生産拠点を集約する計画。3代目の北英彦社長は、
「当社が溶接に参入する際、競合するにも関わらず、一から技術を教えてくれた協力会社をはじめ多くの人に支えられた。最近は資材や人件費の高騰で同業者の廃業、解散が相次ぐ。仕事を融通し合うなどして業界全体で難局を乗り越えたい」
技能実習生を含め約70人の従業員の幸せを実現できる会社が理想という。昨年末に子ども手当を増額し、世帯主でなくても支給するよう改めたほか、イデコ(個人型確定拠出年金)の積み立て補助も開始した。
「日本一のレーザー屋」を合言葉に、30年に現在の約2倍の年商40〜50億円を目指す。挑戦は続く。