
鹿肉の販売などを手掛けるcica(シカ、安芸高田市向原町坂、金沢大基社長)は来年4月下旬、広島城三の丸にカフェや土産店、文化体験などの複合施設を開く。インバウンドを主対象に、食や体験を入り口として県内各地への周遊を促す「観光ハブ」を掲げる。

広島城三の丸歴史館の隣に建設される予定の商業施設(約140平方㍍)を賃借する。店名は「We’re the Morⅰ’s HIROSHIMA(ウィアー・ザ・モーリーズ・ヒロシマ)」で、毛利と森の二つの意味を込めた。カフェでは野菜や鹿肉といった県産食材を使う軽食ほか、ジェラート、コーヒーなどを提供する。バイリンガルのスタッフを常時配置し、生産者のこだわりや各地の魅力を伝える。旅行プランの助言も行い、旅行会社やタクシー会社と連携して予約にも対応する。
このほか、菓子や加工食品、雑貨、衣料などのオリジナル商品を地場事業者と共同開発し、土産として扱う。飲食と物販で年商1億3000万円を計画する。文化体験イベントも催し、熊野筆を使う書道、蔵元を招く利き酒などを検討。金沢社長は「海外展開を目指す企業のテストマーケティングやPRの場としても活用したい」と話す。将来は山口県萩市など毛利家ゆかりの地への進出を構想。
同社はウェブメディア運営などのiD(東京)を営む代表が2024年に設立。安芸高田市産の鹿肉をブランド化し、飲食店に卸すほか、食イベントを展開する。ハンター不足を背景に、新規事業で収益源を多角化して成長を図る。
広島城三の丸の再開発は2期に分かれて進行中で、昨春に上田宗箇流監修のカフェなどが入る商業施設がオープン済み。今年度中に歴史館を含む全体開業を予定する。