チャリ・ロト / 岡田 健吾 取締役
来場者増で収益化は進んでいるか。
実は車券売り上げの約8割はネット投票で、客入りが大きく収益に響く構造ではない。一方、来場者数はG1などの上位グレードのレース誘致の審査基準の一つだ。G1を開ければ、下位レースとは桁が違う規模の車券が動く。集客が大会誘致につながり、売り上げ増を生むことが、今回の施設投資の財務的な要諦だ。実際に来年2月20~23日、中国地方初のG1を開く。全国の競輪場が誘致を競う最高位レースだが、市街地に近い立地や充実した宿泊キャパシティが評価された。今期の競輪売り上げは約380億円を見込む。
周辺施設で世界大会開催を狙っているそうですね。

スケートボード日本代表の白井空良選手などが設計を監修して世界大会が開ける水準の施設になった。常設でこの要件を満たす会場は中四国でも希少だ。マネタイズは容易ではないが、全国から選手が広島に来て、泊まり掛けで練習するという拠点機能は、パーク全体の存在感を引き上げる。競輪会場であるバンクは選手の利用が優先されるため選手会との協議が必要だが、G1開催後にはさまざまな活用を検討したい。
無料ゾーンを登録制にした狙いは。
有料、無料を問わず利用者全員に年500円の会員登録を課している。自転車やスケートボード系は接触の危険があり、利用規約への同意と安全意識の共有が欠かせない。将来的には利用者データの蓄積と分析で、施設改善や集客施策に活用していくことも考えたいが、現時点は紙ベースで安全管理と維持費の原資として機能させている。
目指す施設像は。
競輪場はこれまでも地域に貢献してきたが、地元との接点は薄く閉鎖的な印象を残してきた。リニューアルで、地元にあって誇れる施設にしたい。周辺には新築マンションが増え若い家族も移り住んでいる。2055年度までの34年契約という長期の勝負なので、競輪と公園の両立という新しい形を完成させ、市南部の顔となる拠点へ育てていく。
PROFILE
岡田 健吾 1974年6月7日生まれ、静岡県出身。中央大学法学部を卒業後の97年にダイヤモンドコンピューターサービス(現・三菱総研DCS)入社。複数社を経て、2010年に再エネ事業のオルテナジー(東京)の事業立ち上げに参画した。17年チャリ・ロト入社。マーケティング部長、事業推進本部長を経て、22年から現職。