佐々木 / 江口 康人 社長

耕作放棄地の増加抑制や売電による農家の収入安定化といった目的で、2013年に発電パネル下で農業を行う営農型太陽光発電が開始。当社は20年からキクラゲなどの菌類を栽培している。併せて農業、障害者就農、畜産業の脱炭素化、地域の電力自給といった課題解決を展開する。私にとって事業は、未来のために持続可能な社会の実現が必要だという信念に基づく価値合理的行為だ。
同発電では十分な収穫や販売がないなど不適切な農業の問題が多発し、24 年4月の法施行以降、交付金の一時停止が相次いだ。当社は行政指導が入った業者などに農業コンサルや代行を提供。キクラゲは乾燥・粉末化し、卵アレルギーでも食べられる代替卵の原料として出荷している。
収穫や出荷前処理など単純作業で障害者の就労環境整備に注力。24年に全国で初導入したトヨタ自動車製モバイルトイレトレーラーはエアコン、ベンチ付きで、山間部農地での排せつに加え、発達障害者の精神・肉体的休息の場として使っている。25年7月、感覚過敏がある22歳女性の就農実証に成功した。現状は障害者2人のために大きな費用をかけているが、社会に必要だと思うので稼げずとも維持する。同年4月にはトイレ牽引(けんいん)にEVを導入。将来は電力自給でゼロカーボン運用を狙う。
同年9月から九州大学大学院と共同で、家畜が出すゲップや排せつ物などに含まれる温室効果ガスの放出削減を狙う共同研究を始めた。安価に供給できる当社のキクラゲをヤギや牛などの反すう動物向け飼料に混ぜることで、腸内環境を改善してガス排出を減らすほか、代替飼料のコスト課題解決を目指している。
今年2月、京都府福知山市や民間事業者らと手掛ける「地域共生型再エネ推進」事業が環境省の第7回脱炭素先行地域に指定された。課外活動の維持と教員の負担低減をかなえるため、学外の部活動指導者を日中は新電力会社など地元事業所の従業員として雇う新たな形態を30年までに推進する。全体で8メガ㍗の太陽光発電所を新設する計画で、うち1・5メガを当社が建てる。
今後も価値観を共有する仲間を集め、社会的事業を広げていく。