巻頭特集 2026.04.14

社会課題の解決が企業価値に 市場創出し顧客を育ててほしい

叡啓大学 ソーシャルデザインセンター長 / 早田 吉伸 教授

 国際競争の下で商品・サービスが汎用化し、差別化が難しくなる中、ビジネスを通じて社会的な課題の解決を図る試みが、企業の競争力を高める手段としても注目されている。ブランド価値の向上に加え、働き先に選ばれる条件にもなりつつある。

 地域課題の背後には切実なニーズがあり、潜在的な市場は巨大だ。一方で単独企業での事業化は容易ではない。共感を軸にした、共創の仕組みづくりがカギを握る。他企業や行政、NPOなどと協力することで、社会的なインパクトを最大化できる。2023年、社会起業家らが集う産学官連携コミュニティ「SIGN ヒロシマ」を発足させたのもそのためだ。参加者同士の協業で共創拠点が生まれるなど、実績も出てきた。

 「市場をつくる」という視点も大事だ。例えば、昔は水を買う習慣はなかったが、味や健康面の認識が広がるにつれ一般化した。目的を丁寧かつ辛抱強く伝え、「多少高くてもこの会社から買いたい」と思う〝顧客を育てる〟必要がある。

 地方はまさに社会課題の縮図となっており、現場との近さを生かして実効性のある解決策を考え、検証しやすい。地域課題を起点としたビジネスを生み出す企業が集積すれば、ビジョンに共感し、働きたい人も集まってくるだろう。平和都市・広島にはその可能性がある。多様なステークホルダーが従来の経済中心の発想から脱却し、社会的価値を重視する方向へ転換していくことが重要だ。

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