荒谷建設コンサルタント 荒谷 悦嗣 社長 / ヴィクトワール広島 中山 卓士 GM兼社長
日本の自転車インフラの課題は。
中山 法令・設計標準の整備不足が構造的な問題だ。グレーチングの整備不良や逆さ取り付けで、タイヤがはまり重大事故につながるケースは全国的に後を絶たない。同じリーグの宇都宮ブリッツェンが地元に働きかけ街づくりが変わった事例がある。国交省や自治体の道路交通局と連携し、広島モデルを育てたい。
荒谷 法整備から変えないと本当の整備は進まない。ノウハウを持つ我々が組む意味がそこにある。
広島での大型レースの展望は。
中山 現在は2日間の予算が計2000万円規模の大会を運営。平和公園・原爆ドーム周辺でのクリテリウムはチーム創設から10年来の構想だ。概算では8000万~1億円規模が必要になる。「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」は年数億円の予算で1日最大十数万人を集める。財界を巻き込む仕掛けが鍵で、広島でも大規模大会に向けて働きかけを進めている。
荒谷 そういう仕掛けができれば、道路整備のノウハウを持つ我々にとっても出番がある。地域インフラとスポーツが連動する広島ならではのモデルになると期待している。

将来像を聞かせてください。
中山 競技では、3月28日に三原市、29日に西区商工センターでホーム戦を開く。昨シーズンはエースの孫崎大樹がクリテリウムリーグ年間個人優勝、チームランキングは3位だった。今季は日本一を達成し、広島の皆さんに認めてもらいたい。その根底には、強く愛されるチームとして影響力を高め、スポンサー価値も押し上げたいという思いがある。我々は広島経済が盛り上がらないと生き残れない。微力ながら地場企業の支えにもなれる存在を目指す。長期的には、名高い国際大会に出られるような事業規模にしたい。
荒谷 まずは日本一に期待。知名度とプレゼンスが上がれば、事業をさらに加速できる。家族でのサイクリングが当たり前になるように、しまなみ海道や県央を含む広域自転車インフラ網を構築したい。
PROFILE
荒谷 悦嗣(写真左)
1975年10月15日生まれ、広島市出身。慶應義塾大学卒業後、東京の民間シンクタンク勤務を経て2007年に入社。08年取締役、10年常務取締役、16年から現職。
中山 卓士(写真右)
1989年3月23日生まれ、埼玉県出身。選手時代に2009年全日本選手権U23準優勝、12年LeBizet(ベルギー)5位入賞など。15年にヴィクトワール広島を設立。