その他 2025.09.11

第42回 広経大教授が語る デジタルマーケティングの現在と未来

ティーバー広告

 TVer(ティーバー)は、放送局が制作した番組をインターネットで無料配信するサービスです。スマホやパソコン、インターネットに接続されたコネクテッドTV(CTV)などで、好きな時に好きな番組を視聴できます。
 民放各局が個別に提供していた見逃し配信サービスを統合し、ユーザーの利便性を高めることを目的に2015年にサービスが開始。その後、リアルタイム配信や過去番組の配信も始まり、テレビ局が制作した多彩な番組を楽しめるようになっています。

利用状況と特徴

 ティーバーの月間アクティブユーザー数は、25年1月現在で4120万ブラウザを記録しています。また、アプリのダウンロード数は同4月に8500万を突破し、テレビを視聴する層の大部分をカバーするメディアへと成長しました。
 また、テレビのインターネット接続も進んできました。CTVの世帯保有率は、24年に全国で50%台後半に達しており、今後も拡大が見込まれます。それに伴い、ティーバー利用者の増加が続くと予想されます。
 ティーバーは利用者の年齢層の幅広さが特長です。テレビ離れが進む若年層にリーチできる貴重なメディアであり、見たい番組がリアルタイムで見られなかった時の代替手段として中高年層にも浸透しています。リアルタイム配信の導入により、スポーツ中継やニュース番組など、速報性の高いコンテンツもティーバーで視聴されるようになりました。すでに、インターネット上の民放テレビ局の集合体と言って良いでしょう。

広告メディアとしてのティーバー

 ティーバーは広告メディアとしても非常に有効です。従来のテレビCMは、視聴者の属性を大まかに推測して広告を投下することしかできませんでしたが、ユーザーの年齢、性別、興味関心、視聴履歴、デバイス情報など、より詳細なデータに基づいたターゲティングが可能です。これは、インターネット広告と同等の精度です。
 広告の種類は、番組の冒頭や途中に挿入される動画広告が主流です。CTVで大画面視聴できるため、従来のテレビCMに匹敵する映像効果も期待できます。また、広告のスキップができないため、視聴完了率は90%を超えるという高い数値が報告されています。
 広告メディアとしてのティーバーは、従来のテレビ広告がインターネット広告と同じようにデータドリブンになったと言えるでしょう。テレビCMは到達率に優れる一方で、効果測定が難しく、特定のターゲットへの効率的なアプローチが課題でした。しかし、ティーバー広告では、視聴者の詳細なデータを取得できるため、誰に、いつ、どのような広告を見せ、それがどれだけ視聴されたかを正確に把握できます。これにより、メディアミックスの最適化が可能です。
 ティーバー広告は、テレビCMと連動した広告施策にも有効です。例えば、テレビCMで認知を獲得し、インターネット広告と併せて、ティーバーのターゲティング広告で狙った関心層を刈り取る、といった戦略が考えられます。
 このようにティーバーは、単なるテレビの補完ではなく、テレビ放送とデジタル配信の強みを併せ持った新しい形のメディアです。テレビ局の制作した人気の番組内で、狙ったターゲットへ広告を到達させることができます。メディアミックスを検討する際にティーバー広告もぜひ視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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PROFILE
宮田 庄悟(みやた しょうご)

宮田 庄悟(みやた しょうご) 1956年1月3日生まれ、和歌山県出身。早稲田大学を卒業し、79年4月に電通入社。東京、ニューヨーク、北京、ロンドンでマーケティング、イベント、スポーツ業務に従事。「ラグビーワールドカップ2019組織委員会」の広報・マーケティングなどを担当。20年4月から現職。

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