スポット 2025.06.12

スポットニュース

経済ニュースからこぼれた気になる話題を記者の視点で紹介。

中堅の成長後押し

政府は2月に「中堅企業成長ビジョン」を発表した。経済を引っ張る中堅企業の重要性を踏まえ、自律的な成長と新陳代謝を促す狙いだ。これを受け、中国経済産業局は5月26日に「中堅企業等中国地域円卓会議」を市内で開催。関係府省庁や自治体、支援機関の担当者らが情報交換を行った。
昨年の法改正で、中堅企業は従業員数2000人以下の中小を除く企業と定義。全国に約9000社、中国地域に200社超を数え、これまでに大企業を上回る国内売上高、投資額、給与総額の伸びを示してきた。しかし大企業と同列に扱われていたため、中小向け政策の対象外とされた。どういうわけか、風向きが変わった。
本年度の補助金や税制措置などを盛り込んだ「中堅企業成長促進パッケージ2025」は13府省庁合わせて総額1兆4000億円に上る。経産局の実国慎一局長は、
「局独自で説明会や経営者交流会を開いている。まだ経営者によって対応に差があり、支援機関などと連携し周知に努めたい」

未来の自分へ手紙

5月で設立80周年を迎えた広島信用金庫(中区)は、2015年のフラワーフェスティバルに出展した特設ブースで、当時の小学生らに書いてもらった手紙「10年後の未来の自分へ伝えたいこと」を4月28日、本人の住所に発送した。
10年前の70周年事業で、未来の自分へ宛てた手紙を企画。計1151通に上り、同金庫で大切に保管していた。内容は「家族がみんな仲良く健康に暮らしているか」「やりたい事が見つかっているか」「習い事をまだ続けているか」など。引っ越しなどで不着の場合は祖父母などの予備住所に再発送。同金庫は、
「営業統括部宛てに元気が出た、子どもと会話する時間が持てたなど、企画や手紙の保管に感謝を述べた多数のメールが届きました。家族との思い出話や今後の人生につながる機会になれば幸いです」

きな粉の力

きな粉などを製造する老舗の上万糧食製粉所(安佐南区)は5月10日、小学3年生以下を対象としたU―9サッカー大会「ウエマンきな粉カップ」を福山市内で開いた。

ウエマンきな粉カップ


広島信用金庫のSDGs私募債を活用して、社会人サッカーチームの福山シティフットボールクラブにサッカーゴール運搬車などを贈ったのがきっかけになり、社員の発案でサッカー大会を企画した。同クラブが運営に協力し、15チーム約150人が参加。サンフレッチェのユース寮の食事に採用されるなど栄養豊富なきな粉の魅力を多くの人に知ってもらおうと、ソフトクリームへきな粉かけ放題イベントなども開き、大盛況だった。保護者向けにチラシを作り、みそ汁やたこ焼きなどに入れる「隠しきな粉」でうま味、風味が増し、栄養成分がとれることをアピール。栗栖亮輔社長は、
「私自身、サッカーを通じて適切な努力が目標の達成につながることを学び、それが経営にも生きている。〝きな粉を食べて、げんきなこ!〟をスローガンに打ち出しており、スポーツを頑張る子どもたちを応援したい」
いくつかの地域、団体からも声がかかり、大会の継続開催に意欲をにじます。地元小学生に食べ方を考えてもらう出前授業も5月からスタートした。
1928年9月に創業。100周年を控えて新たな市場を広げていく構えだ。

老舗卸の挑戦

砂糖や小麦を主力に食品加工メーカーなどへ卸すイトー(西区商工センター)はニーズ多様化とトレンドにアンテナを張り、新たにシーズニングの提案営業に乗り出している。

認知度アップとともに市場も広がっている県産ブランドのレモンに着目。レモン風味が爽やかな粉末の混合調味料をメーカー向けに展開する。伊藤伸一郎社長は、
「原料高騰などで生産コストが上がったものの、ようやく販売価格に反映できるようになった。取引先の利益も改善し始め、新商品開発に向けたチャレンジ精神が高まり、たとえ失敗しても再チャレンジする先が増えてきたように思う。あまり扱っていなかったシーズニングだが、レモンの切り口で提案。少しでも取引先の繁盛に役立つよう力を尽くす」
必要な時、必要なものを届けるだけでなく、企画・提案営業が重宝がられる卸機能を目指す。BtoBが商いの軸だが、生産から流通、消費までのフードシステムに着目した成長戦略を描く。4月で創業90年。老舗卸の新たな挑戦が始まる。

熊野筆ガチャ

何と「熊野筆ガチャ」が熊野筆のアピールに一役買っているという。伝統工芸士作の小筆と竹宝堂の化粧筆のほか、観光マスコットふでりんの缶バッジを、それぞれQR掲載の紹介文と共にカプセルにセット。なかなかの人気らしい。

熊野筆ガチャ


熊野筆事業協同組合(竹森臣代表理事)が制作し、デビューを飾った昨年9月の「筆まつり」を皮切りに、10月は東京の「伝統工芸青山スクエア」で伝統工芸士の實森得応さんの実演を後方支援。11月は「KOUGEI EⅩPO石川」へ飛び、今年は2月に松屋銀座「銀座名匠市」、3月は宮島夜市「宮島つき祭り」に出張。1個1000円でイベント会場では40〜70個を売り上げる。竹森代表理事は、
「11月には第77回中小企業団体中央会の全国大会が広島であり、こちらでもガチャに活躍してもらう予定。紹介文の内容は更新し、次回は熊野エリアの観光情報も伝えたい」
カプセル内の筆はわずか数センチだが天然毛で作り、用途を果たす品質の良さを体現。

対面でAI教える

チャットGPTなど生成AIの手にかかれば、メールの文面や会議の議事録などは自動で作成する。文字ばかりの作業工程書をマンガ化することも瞬時にこなす。便利なツールに違いないが、一方でいざ使用する段になると二の足を踏む企業、人も少なくない。
広島大学発ベンチャーで2022年設立のWEAVE(東広島市)は6月19日午後6〜8時、生成AIを仕事に生かすための無料体験会をヒロマラボ(中区銀山町3―1、ひろしまハイビル21の17階)で開く。同大教育学部出身の久保直樹社長(25)が、初心者向けに文章・画像作成の流れや業務シーンでの活用法を分かりやすく伝える。
「自動化ツールのイメージと相反するかもしれませんが、対面で行うことに意味がある。AIに触れてもらい、質問や不安があれば講師が直接サポートを実施。そうした環境が知識の習得と実践力を養うと考えています」
事前に同社ホームページから専用フォームで申し込み、当日はPCなどの端末が必要。

漱石と広島

4月初旬、「坊ちゃん」など漱石自筆の原稿が奈良県内で発見されたとマスコミ各社が一斉に報道した。漱石ファンは根強く、今も全国に広がっているという。
「漱石と広島」の会(山本一隆会長)は6月25日で設立10周年を迎える。漱石ゆかりの人物、広島を訪れた漱石の足跡などについて資料・情報を収集し、広く市民に発表する活動を続けている。広島文化協会が5月中旬開いた「広島市の祭典―文芸・美術展」で創刊号〜21巻の会報や冨沢佐一著作「漱石と広島」などの関連本を展示し、昨秋の「漱石ゆかりの加計ツアー」も紹介。
朗報が届いた。10周年を記念して会から懇請していた東京大学名誉教授で政治学者の姜尚中(かんさんじゅん)さんが講師を引き受けてくれることになり、11月初旬に講演会を開く。姜さんは漱石に心酔し、漱石の思いを読み解いた著作もある。姜さんの返信メールに「近年、アジア圏でも漱石が読まれている」と。緊迫する世界情勢にあって、その頃どんな話が聞けるのか、関心を集めそうだ。

この記事はいかがでしたか?

関連記事

料金プランへの誘導バナー・デザイン差し替え

おすすめ記事

広告
広告

最新ランキング(2026.3.24更新)

企業データベース