掃除サポート好評
清掃用具レンタルなどのサニクリーン中国(中区富士見町)は、2022年から市内中心に手掛ける掃除・害虫駆除の「おうち快適サポート」を軌道に乗せている。県内は安芸郡ほか廿日市、呉、東広島、竹原市へと展開し、7月に山口エリアへ初進出。時代のニーズに応え、次第に関連サービスも増えてきたという。食器洗いや洗濯などの家事代行に加え、害虫獣駆除、畳やふすまの交換、家の修繕などをワンストップで提供する。片付けや不用品処分、水回りのリフォーム、空き家・庭管理などにも幅広く対応。個人向け清掃サービスを行う中で家事代行などの付随サービスを求める声に応じた。高齢者の独り暮らしや共働き世帯などの増加も背景に事業化に踏み切り、直近1年の施工件数は5400件という。「最近は庭木手入れの問い合わせが増加。企業向けから一般家庭へと間口を広げて確かな手応えを得ている。今冬には松江、米子エリアへ拡充する予定。生活サポートに役立つサービスを充実させていきたい」(同社)
貿易をDX
多くの分野でデジタル技術による効率化が進む一方、貿易の現場は複雑な業務が多岐にわたり、DXが立ち遅れているという。呉市発祥のムロオシステムズ(東京)は自社運営の「国際貿易DXプラットフォーム」で成果を上げ、他社への水平展開を狙う。貿易現場は発注者と出荷元だけでなく船会社や倉庫、運送、通関事業者、税関などが多様に関わり、国によって連絡手段や書類、ルールもまちまち。安全な情報共有が難しかった。同プラットフォームはブロックチェーン型のデータベースを用い、安全性を強化。共通の仕組みの下でサプライチェーン管理や輸出入事務の代行、代金支払いまでを一元管理する。2020年度に中国と豪州間でプラットフォーム運営を始め、それまで3〜5億円だった同社の年商は前3月期で一気に20億円を突破。潘忠信社長は、「経済産業省の貿易投資促進事業費補助金に採択され、多くの企業が手間やコストを減らせるようにプラットフォームを改修予定。新たなスタンダードになる可能性を大いに秘めている。日本の貿易拡大に貢献したい」グーグルやアマゾンなど米国大手プラットフォーマーは便利な仕組みで世界を席巻。当たればでかい。
備後で副業
福山市は9月9日、人材業のパーソルイノベーション(東京)と共同で、副業を受け入れる備後圏域の企業の情報サイトを開いた。近隣の三原市や世羅町、岡山県笠岡市なども対象で、昨年度に続く取り組み。今年は新たに竹原市が加わり、7市2町の企業と副業希望者をマッチングする。さっそく製造業や飲食業など3社がウェブサイト「ロッツフル」上で教育アドバイザー、広報、ECサイト企画運営の経験者を募っている。いずれもリモート勤務が基本のため、大都市で働く人も応募しやすい。ロッツフルの田中みどり代表は、「副業人材の活用を支援する自治体は多いが、県をまたぐ連携は珍しい。マッチング実績を昨年の15社からさらに増やし、エリアの活性化に貢献したい」市外の企業でも、福山市が掲載費の一部を負担するという。最近は副業を認める企業の動きが広がり、一方で人手不足はますます深刻化。同市の先進的な取り組みの成果に関心が集まる。
瑞穂の新戦略
コンセプトは触れて体感、知って学び、理解を深める。熊野筆製造販売の瑞穂は本社工房内にアトリエショップ「SHAQUDA」を昨年9月開設し、成果を挙げている。メイクアップやスキンケアの体験ほか、国内外で展開するブラッシュブランドSHAQUDAの作り手と使い手がリアルとオンラインで交流できる。筆を使う美容や文化の背景、歴史も分かる。丸山長宏社長は、「お客さまとの交流を機に商品開発のヒントも生まれた。海外市場をさらに強化したい」百貨店やセレクトショップなど海外は欧米中を含む18カ国へ輸出する。熊野筆まつりのある9月22日、同アトリエで1周年のアウトレット商品販売会(一律30%引き)を開く。海外からの来場予約も入っている。
生き残れる施設
介護事業所の倒産が過去最多ペースで増える。介護業界向け雑誌のQOLサービス(福山市)は11月1〜3日、通所施設の経営者や職員を対象に勉強会・交流会を県民文化センターふくやまで開く。リハビリ、口腔ケアなどの技術習得に加え、社員教育、採用、ICTによる生産性向上、保険外サービスの提供などを通した収益力向上策まで計35プログラムを作成。生き残りのヒントを提供する。10月30〜31日にはケアマネジャー向けセミナーも催す。妹尾弘幸社長は、「今春に介護報酬が引き上げられたものの、賃上げが続く他業界との格差は広がる一方。介護に携わる全ての事業所を挙げて就業環境改善に取り組み、ケア品質を向上させたい」グループでデイサービスなど45事業所を運営。0から100歳まで受け入れる総合リハビリケアセンター、要介護の女性低所得者向けシェアハウスなど新しいケアの在り方を模索しており、ペットと暮らせる入居施設、認知症の人がもてなすカフェなどアイデアは尽きない。
経営者の婚活後押し
呉信用金庫は結婚相談事業のマリッジ(仙台市)と業務提携し、取引先経営者と後継者を対象に結婚相手の紹介サービスを始めた。同社との提携は県内信用金庫で初めて。昨年3月、日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区撤退に伴い呉阪急ホテル1階に開設した人材紹介相談のくれしんキャリアオフィスに新サービスの拠点を置く。取引先の人材面での幅広いニーズに対応する。受付時間は平日8時半〜午後5時半で予約制。「内閣府の22年度統計によると生涯未婚率は男性が28・3%、女性が17・8%。企業経営者、後継者も同じ傾向があり、事業承継などに影響が出ると考えられる。取引先の円滑な事業承継を後押ししたい」(同金庫)
13代会長に就任
広島市倫理法人会は9月1日、前会長の石田博美さんに代わってミライフコンサルティング社会保険労務士事務所代表の吉岡裕幸さんが第13代の会長に就いた。県倫理法人会初の単会として1991年に設立。「朝起き」の習慣化がすべての実践につながると推奨し、毎週水曜日午前6時からモーニングセミナーをシェラトングランドホテル広島で開く。4日の同セミナーで所信を述べた吉岡会長は、「設立時の認可書を見返し、これから毎週勝負の時間を迎える覚悟を新たにした。いつも自ら明朗・愛和 純情(すなお)な心 笑顔で実践というスローガンを心の真ん中に置いて日々前進したい」