100年に一度とされる業界の変革にどう立ち向かうのか。マツダは3月18日、電動化時代への方針を示す「マルチソリューション説明会」を開いた。毛籠勝弘社長ら4人が次々に登壇し、トヨタなど他社との協業による効率的な技術開発のほか、専用プラットフォームを使うEVの導入計画も発表。エンジン開発では、内燃機関の最終ステップと位置付けるガソリン仕様の「スカイアクティブZ」を2027年に発売すると明かした。一方、近年のマツダを代表する技術の一つであるディーゼルエンジンはどうなるのか。廃止の可能性について問われた広瀬一郎専務執行役員は、「ご安心ください。種類こそラージ商品群に載せている直列6気筒タイプに集約する予定ですが、やめるつもりはありません。マツダはしつこい会社です」米国の関税政策は発動間近。しつこく、粘り強く難局に挑む。

フードリンピック

〝広島は美味しさの宝庫〟というブランドイメージを醸成させようと立ち上げた。県内全域の食の魅力を掘り起こし情報発信〜消費〜生産の好循環から地域経済の活性化を目指す県のプロジェクト「おいしい!広島」。プロジェクトの一環として昨秋に続き、3月18日に春のフードリンピックを開いた。多彩な28のメニューがエントリー。約1カ月にわたる特設ウェブサイト上の応援投票で勝ち抜いた9市町10チームが紅白に分かれて競った。タイやみそ、ブランド牛、揚げ物、どんぶりの5テーマで対戦した結果、紅組が優勝。県農林水産局販売・連携推進課の担当者は、「昨秋のエントリー分と合わせ、2025年度に首都圏で展開する全国プロモーションを通じて、県民の推しメニューを全国へ発信していく。広島ならではの食材や料理を紹介し食の魅力を広めていきたい。県民自慢の〝おいしい〟という金看板を掲げ、食の力を観光振興にも生かしながら、生産者の所得向上を目指す」3月5〜17日に一部エントリーを対象に食材とメニューのブラッシュアップを図った。食材にまつわる情報とメニューがしっかりタッグを組む機会にもなったようだ。生産者が丹精込めて育てた食材の魅力を引き出し、プロの調理人の手でさらに価値を高める。折り紙の付いた食材を適正な価格で流通させていく狙いもある。目の前にあるメニューが成り立つ地域特性や歴史などの背景を知ると、おいしさも一段と際立つ。

人気集める夜神楽

県民文化センター(中区)で4〜12月に定期公演される「夜神楽」が人気だ。2024年度は外国人の来場者が急増し、過去最多を記録。広島ならではの観光資源として魅力を発揮している。各地の神楽団を招き、期間中は毎週水曜午後7時に開幕。来場者は前年度に比べて4割増の1万462人に上り、4年連続で伸びた。インバウンド急回復に伴い、外国人は3963人で倍増した。劇中の口上の英語字幕を投影し、司会も英語を話すほか、チラシやガイドブックの英語併記などの工夫が実った。4月8〜17日午前10時〜午後6時に観覧無料のポスター展を開催。戦後の各神楽大会の足跡をたどる。12、13日は小学生を対象に小さな神楽面の絵付けなどのワークショップがある。約2時間で1500円。上田浩史館長は、「劇中では知ることができない歴史や背景に触れ、理解を深められるようにした。神楽の迫力が一目で分かるように描かれたポスターは、まさに視覚芸術。当館の公演はもちろん現地の神楽団に足を運んでみようかと促せたら、しめたもの。これからも伝統文化を伝えていく」昨年12月の中国地方観光振興アワード(中国運輸局主催)受賞を追い風にしたい。

中四国で初出店

広島駅に直結する商業施設ミナモアが3月24日開業。米と食品、食器などを扱う「AKOMEYA TOKYO」が中四国で初めて直営店を出店し、地元産品とコラボしたオープン記念商品が話題になった。広島信用金庫が昨年12月、同社と取引先企業との間で商談会を開催するなど、出店に先立ち、準備を進めていた。記念商品は、地域米やご飯のお供などを詰めた「アコメヤの祝袋/広島尽くしセット」、オリジナルラベルの県産あきさかり、瀬戸内醸造所とのコラボワインなどを販売する。「一杯の炊き立てのごはんから広がるおいしい輪」をコンセプトに、東京を中心に25店舗とオンラインショップを展開。広島に愛される店を目指す。

井戸水確保で移転

リネンサプライ事業の日基リース(廿日市市串戸)は、来年3月までに島根県浜田市金城町にある工場の一部を加計工場(安芸太田町)へ移転させる計画だ。病院用布おむつのリース事業で1973年に設立以来、病院・福祉施設・ホテル向けにリネンサプライのほか介護用品販売などにサービスの幅を広げてきた。79年には島根県の企業誘致を受け、金城にリネンの第一工場(ダイアパー関連)と第二工場(病院寝具関連)を新設。93年には第三工場(ホテル関連)を稼働した。しかし金城工場は2016年ごろからリネンサプライ事業にとって命ともいえる井戸水の取水量が次第に減っていた。安定した水源確保を目的に同年には工場用地(加計工場)を取得。加計工場はきれいな井戸水が豊富に湧くため、第一・第二工場を移転させることにした。大野康博専務は、「24年8月期決算で売上高20億円を突破し、過去最高を更新。だが、近年は水道代や人件費などが高騰し、コスト削減を迫られていた。一部の作業所は野ざらしだったが、新工場は屋根を設置するなど環境改善にも力を入れる。加計は現社長の父と私の故郷。みんなに喜んでもらえるよう全力を挙げます」

10周年に新体制

中四国で初めて誕生したプロ自転車ロードレースチーム、ヴィクトワール広島(安佐南区)が10周年を迎え、3月15日に市内ホテルで2025年シーズンのチームお披露目パーティーを開いた。ファンやスポンサー関係者ら70人以上が参加。強豪の宇都宮ブリッツェンから今年移籍した西村大輝監督が率いる新チームを激励した。スポンサーを代表し、広川(西区)社長の広川正和さんは、「15年のチーム発足以来、監督交代は初めてだが、広島のロードレースをさらに盛り上げる運営体制が整ってきた。前監督の中山卓士さんは世界で戦えるチームを目標に掲げ、昨年8月にはトルコのレースで優勝。有言実行力に感服した。今季も前輪をチーム、ファンとスポンサーが後輪となり、ヴィクトワールが活躍する姿を願っている」初代監督で、同チームを運営するCYCLELIFE社長の中山さんは今季からゼネラルマネージャーを兼任し、チーム経営に専念する。

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