成長のエンジン
合人社グループ(中区袋町)の勢いが止まらない。2024年3月期連結売り上げは551億円で、マンション管理業に参入した1983年以降、約40年にわたり右肩上がりを続ける。期末のマンション管理戸数は全国で29万戸を超えた。独立系でありながら三井、住友、野村といった大手の系列同業を上回る。第2の柱のPPP・PFI(民間による公共施設の整備運営)事業は受託件数が累計100件を突破し、国内トップクラス。成長し続けるエンジン、秘訣はどこにあるのか。取締役経営企画本部長の山本計至さんは、「多くの同業はマンションデベロッパーの系列会社で、親会社の供給を待っていれば成長できる。しかし当社は常に市場競争にさらされてきた。徹底して低コスト体質を追求した結果、小規模な案件でも利益を出しやすい。大手は効率を求めて100戸を超える大規模マンションを管理したがるが、当社は数十戸の小さな案件に前のめりで取り組む。PFIも同じ。地方の小さな案件に躊躇なく手を挙げ、その実績がさらに次の受託につながる好循環をつくり出す」国内の人口は減り続けている。一方で外国人の増加や、住居・生活機能を集約させる国のコンパクトシティー政策などで、マンション管理の市場はまだ伸び代があると読む。今期末には管理30万戸の大台突破を視野に入れている。大手を尻目にチャンスを捉え、徹底的に工夫し、果敢に挑んだ企業魂をのぞかせる。
創業100年からの挑戦

安全靴の老舗メーカーのノサックス(東広島市)は5月に創業100周年を迎えた。自社の歴史を振り返るため、過去の写真や資料を整理・収集したところあれこれと思いがけないもの、予期しなかった出会いもあったという。野口隆志専務は、「昭和初期頃に当社が販売していたバイクブーツを発見。箱付きで残っており、恐らく一度も使われずに倉庫に眠っていたのだろうと思います」箱には主力ブランドの名称キングクラウン印のほか、「バイクシュウズ 実用新案」と記載されており、時代を感じさせるデザイン。靴底にもキングクラウンマークの印字があった。その出会いに感謝しきり。「周年の節目にこうした品に出会えたことに感動しました。挑戦し続けてきた歴史の重みを胸に、果敢に未来へ進んでいきたい」今冬には以前の社名「野口ゴム工業」を復活させる。さらに広島から世界への展開を見据える。
使命を言語化
広島青年会議所(JC)は7月22日、国内最大級のクラウドファンディング、キャンプファイヤー創業者の家入一真さん(45)を招き、市内ホテルで講演会を開いた。学生時代、いじめなどをきっかけに引きこもりになったときに救われたのがインターネットだったという。その経験からレンタルサーバーなどのpaperboy&co.(現GMOペパボ)を創業し、2008年にジャスダック市場に最年少(当時29歳)で上場。11年に創業したキャンプファイヤーは19年に東証マザーズ上場を果たした。「本当の強みは資格やスキルではなく、他の誰にも代替されないものだと思う。私は学生時代に居場所がなかったという原体験から、現代の駆け込み寺シェアハウス『リバ邸』なども立ち上げました。皆さんも自分の歩みを振り返り、自らの人生のミッションを言語化してほしい」
折り鶴再生紙の花
平和ブランド「アースヒロシマ」として折り鶴を再生した製品を販売するソアラサービスは8月6日、ペーパークラフト制作ができる観光客向けワークショップを中区広瀬北町の自社運営シェアオフィスで始めた。折り鶴再生紙で大小一つずつの立体的な花を作るほか、折り鶴が生まれ変わるまでのストーリーを学ぶこともできる。7月31日には平和記念公園レストハウスで無料のプレイベントを開き、欧米人らの観光客でにぎわった。牛来千鶴社長は、「体験を通じて広島にしかない価値を知ってもらおうと企画した。紙を折るといった作業は日本らしさを感じられると外国人から好評。平和への思いを花に込め、そして作った後は家に飾るなどして、広島を思い出すきっかけにしてほしい」英語対応も可能で、料金は1セット5500円。終了後に茶話会も。出張ワークショップも開きたいと話す。ブランドのアイテム数は7年間でおよそ60まで増えた。
92歳夫婦の事業継ぐ
農産品加工・販売などの東城愛農有機野菜の里(庄原市東城町)を経営する、夫婦そろって92歳という瀬尾賜(たまう)さん、千代さんは8月1日、地元農家の瀬尾裕希さん(45)に経営を託した。賜さんが単身、大阪で事業を行っていた間に、小さな集落に一人残された千代さんが地域の女性を集めて2000年に同社を創業。Uターンした賜さんが大阪に販路を確立し、餅やみそ、エゴマといった農産品加工や無農薬の地元野菜、鶏卵などを大阪の食品センター、関西よつ葉グループや地元の道の駅、スーパー向けに納入。血縁関係はないが、農業の傍ら6年前から同社に勤めていた裕希さんが夫妻の考えや働き方に感銘を受け、事業の承継を決意。数年前から準備を重ねていたという。裕希さんは、「ご夫婦から初めて、これまでの歩みを聞いたとき、現代では考えられない意思の強さ、人のつながりの深さを感じました。いつまでも変わらないものが好きな人がいるから、私たちは必要とされていると確信しながら応えていく。その信念と事業をそのまま引き継いで精進します」9月には事業承継関係者や地元商工会、従業員と家族を招待して新たな門出を披露する計画という。
帽子を共同制作
福山市駅家町に本社を置く異業種2社の思いが重なりコラボレーション。1946年創業の備後漬物は7月、清掃活動や工場見学受け入れの際に着用するバケットハットを、織物製販の篠原テキスタイルと共同制作した。バケツを逆さにしたような形の帽子に、備後漬物の社名とブランドスローガン「おいしい!をずっとそばに」をプリント。素材には篠原テキスタイルが製造するデニム生地の端材を使い、環境へも配慮したという。備後漬物の担当者は、「社外に向けて会社の統一感を表現できるユニホームを数年前から検討していたところ、若手社員から最近の流行で気軽に使えるバケットハットの提案があった。地域の企業間での交流や省資源化、そして福山の特産品をPRしたいという両社の願いが一致し、共同制作へ進展した」両社がパートナー企業を務めるサッカークラブ・福山シティFCの選手も協力。7月28日のホーム戦後、備後漬物の社員と共に帽子をかぶり、会場の清掃を行った。地元への気持ちは皆同じ。
高校OBゴルフ大会
母校愛から始まり大きく輪を広げた。県内高校の卒業生・学校対抗で競う「第12回広島県高等学校対抗親睦ゴルフ大会」が参加者を募っている。申込締め切りは8月20日。11月23日に佐伯区五日市町の広島ゴルフ倶楽部「鈴が峰コース」で午前8時、全ホールショットガン方式でスタート。例年約20校のOB・OG160人が18ホールストローク・ダブルペリア方式(ハンディ上限36・ローカルルール適用)で競い合う。団体戦は各校上位4人の平均ストロークで順位を決める。プレー費は1万4000円程度。各校持ち回りで幹事を務め、今年は広島商業同窓会が担当。島本章生会長(しまのわ司法書士法人代表司法書士)は、「海田高校同窓会コンペが本大会の起点と聞いている。おもてなしの心を大切にし、イベントを盛り上げるために全力を尽くしたい」(電)080-4189-3261(バルコム秘書室・宮﨑)。