209社でつくる(協)広島総合卸センター(伊藤学人理事長)は4月1日、西区商工センターの広島サンプラザで第40回新入社員合同入社式を開いた。組合員9社で計28人が出席し、社会人の一歩を踏み出した。式のはじめに伊藤理事長は、明治維新に活躍した多くの偉人を育てた吉田松陰の言葉を引用し、はなむけとした。夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし。シンプルだが、若い人の心に響いたのではなかろうか。記念講演で、オフィス・タニの谷一善代表が「求められる人材になる〜何のために仕事をするのか」をテーマに語りかけた。卸センターの谷本睦志専務理事は、「式典後のセミナーでは名刺交換などの実務研修に積極的に取り組み、休憩は和気あいあいとにぎやか。オンオフがしっかりできていた。社員の定着は企業課題の一つ。組合としてバックアップを続けていきます」大器をつくるには急ぐべからず-松陰。

4月1日、ひろぎんホールディングスのグループ合同入社式が本社であった。広島銀行101人、ひろぎん証券10人、ひろぎんリース6人、ひろぎんITソリューションズ18人、ひろぎんビジネスサービス1人を合わせて136人の新入職員が参加。歓迎の映像上映や新入職員の決意表明などがあった。ひろぎんHDの部谷俊雄社長は、「今月から中期計画がスタート。皆さんには期待を込めて①夢や理想に向けて、何事にもチャレンジする、②成長に向け幅広い視野をもち、中長期的に考える、③自ら考えて期待されていることを行うの3点を実践してほしい。また『ATM』、明るく、楽しく、前向きに-を心に留めていただきたい。そのことがブランドスローガン『未来をひろげる』につながるはずです」

ハード・ソフトウエア開発のヒロコン(安佐南区)は、若者の採用・育成を積極的に行う「ユースエール企業」認定を広島労働局から受けた。独自の適性試験を通過した新卒・第二新卒者を採用し、時間をかけて育てる取り組みが評価された。2020年度から12人が入社。最初の3年間は関心のある分野の勉強や研究に時間を割くことができるよう業務負荷を減らし、必要なソフトや機器もそろえる。昨年は新入社員の声に応え、数十万円のVR機器一式を購入。ゴーグルに図面や指示書を投影して組み立て作業を効率化するサービスの開発につながった。和田裕幸社長は、「指示待ちの若者が多いと言われるが、やりたい気持ちをすくい上げてあげると自分から周りを巻き込み、次第に組織全体が生き生きとしてくる。必要とされる製品づくりを実現するため、さまざまなテーマに臆することなく挑戦し、大きく視野を広げ、持てる力を発揮してもらいたい」4月、昨年に続いて初任給を2〜3万円引き上げた。3カ月単位で勤務時間を調整するフレックス制度なども採り入れ、若者のハートをつかむ。

特産品やこだわりの逸品に特化した食品商社の八百金(南区皆実町)が今年で創業220周年を迎える。被爆で店や従業員の命を失うなど、大きな試練を乗り越えてきた感慨はひとしおだろう。10代目の中野伸彦社長(83)は、「1804年に今の中区金座街辺りで創業。当時は雑穀や乾物海産物などを販売していたようです。9代目の父が店を切り盛りしていた頃、戦争に突入し私は可部(安佐北区)に疎開していた。そして8月6日8時15分、原爆投下で日常の光景が一瞬に奪われてしまった。父は幸いにも出張で山口県の萩市に滞在していたため被爆を免れたが、店舗は跡形もなく消滅。無念にも店にいた従業員3人の命は助からなかった。再起へ、その後はまさに命懸けだったのではなかろうか」広島修道大学を卒業後、父の背中を見ながら経営を学んだ。1980年に39歳で社長に就く。本業の食品卸に加え、近年は無添加の食べる小魚などの自社商品も手掛け、関東地域は売り上げの半分以上を占める。「今は長女が自社商品事業に携わっている。休日は住まいのある東京で過ごし、首都圏でコミュニケーションを深めて都会のブームにじかに触れておきたいという。ただ、物流改革の問題は大きく、効率的に搬入し、販売機会損失が最小限になるように努めなければならない。センターフィー(物流センターの利用料)やそれに関わる必要経費が果たして生み出せるか、課題と正面から向き合うことが大事だ」

人材確保や定着を図るため、柔軟な働き方の導入は急務。廃棄物処理のオガワエコノス(府中市)はユニークな休暇制度を設けており、厚生労働省が発行した全国14社の事例集に掲載された。例えば、女性特有の体調不良などに応じて年次有給とは別に年間最大10日休むことができる。不妊治療や乳がん検診にも幅広く利用でき、好評という。また社員本人と家族が災害や犯罪被害に遭った場合は、職場復帰までに必要な期間を有給扱いにする。「災害時に対応した制度を利用して西日本豪雨の際に休暇を取った人もいた。万一の備えをさらに拡充するため、社員が事件に巻き込まれる可能性も考慮している。いざという時に安心して休める制度と、誰かが不在でも慌てることなく業務を回せるバックアップ体制を整えている」(担当者)有給を余らせた社員からの「おすそわけ休暇」や、ボランティア活動といった社会貢献休暇など多様な制度をそろえ、有給取得率は約7割。今後も社員の声に耳を傾け、既存制度の見直しや新制度を考案する方針だ。

袖振り合うも他生の縁という。県内の調理人などでつくる(社)西日本調理研究会(高山和典会長=日本料理高山代表)は3月23日、広島市内で懇親会を開いた。高山会長が開会あいさつで、縁あって知り合った関係の大切さを語った。和洋中の料理人や飲食、関連業者約50人が出席。こうした業界の集まりでは珍しくアサヒ、キリン、サントリーのビール大手3社の支店長がそろった。県料理業生活衛生同業組合の川口伸二理事長はテレビの料理番組などに出演し軽妙な語りで人気だった故神田川俊郎さんとの縁に触れて、「ある日、神田川さんから愛弟子の高山くんを頼むと言われ、気がつけば長い付き合いとなっている。本日ご出席の皆さんとも深く、長いお付き合いになることを願います」

三次市にいる妖怪が海外をかけめぐり、話題をさらっている。外務省が所管する国際交流基金主催の海外巡回展「妖怪大行進」は2021年に始まり、これまでに世界9カ国18都市で延べ約8万人を動員。今後も最大で通算10年にわたり大行進する予定だ。同展は、湯本豪一記念日本妖怪博物館(三次もののけミュージアム)の珠玉コレクションのレプリカ55 点を中心に展示。21年4月のスロベニアを皮切りに伊、露、NZ、中国などで開催し、今後もアジア諸国・地域や北米大陸の旅を続ける。同館は日本最大の妖怪コレクション5000点を所蔵した湯本名誉館長から寄贈を受け、妖怪物語「稲生物怪録」の舞台となった三次の地に開館。5周年記念企画展を7月8日まで開き、4月13日には同館隣接の交流館でサロントーク「外交官としてのYOKAI」がある。18年に現館長の植田千佳穂さんがスペインで「百鬼夜行絵巻」や月岡芳年、歌川国芳の浮世絵などを展示した裏話などを披露。同国との外交樹立150周年で国際交流基金が主催し、友好大使の妖怪が大いに活躍したという。吉川学芸員は、「海外からのツアーも受け入れている。少しでも国際交流に貢献できればうれしい」4月26日から「体験! 石黒亜矢子原画展」も。

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