会社の急成長に必要なことは何か。自らも起業し上場を実現した経験を持つ湯崎英彦知事は3月21日、時価総額10億㌦超の企業の創出を目指す「ユニコーン10」プロジェクトの成果発表会で、採択16社の社長や投資家らを前にマイクを握った。「高い目標に対し、できないと思ってしまうことが最大の問題。事業の浮き沈みは経営者の意志で95%決まる。どんな事業でも全てがもくろみ通り進むことはない。不測の事態に陥ったとき、折れずに挑み続ける強さを持ってほしい」スタートアップ支援のみならず、県全体に挑戦の風土をつくりたいと力を入れる。一方で、冷静な助言をくれる存在の必要性についても述べた。「創業者は事業への思い入れが強く客観視が難しい。外とつながりを持ち、自社の強みと弱みを正しく理解することも求められる」県は本年度も同プロジェクトを推し進めるほか、海外展開に向けた支援制度を拡充する方針。急成長を志す企業を広く募るという。

ロータリーエンジンとおにぎりがコラボレーション。マツダは昨年11月の「MX-30 Rotary-EV」発売を記念し、タカラトミーアーツの調理玩具「究極のおにぎり」の限定品を作った。三角形のローターが回転する同エンジンと、おにぎりの形が似ていることから考案。ご飯を容器に入れて回すことで表面に圧力が掛かり外はもっちり、中はふんわり仕上がる。独自のスリーブ(かぶせ物)とステッカーを付ける。キャンペーン賞品などに使う。「若手社員がたまたまSNSで究極のおにぎりのことを知り、11年ぶりに復活したロータリーエンジン搭載車を広く知ってもらおうと企画した」(同社)

健康意識の高まりを受け、機能性表示食品市場が拡大する中、伊藤園グループのチチヤス(廿日市市)は4月1日、たんぱく質が手軽に採れるドリンクタイプのヨーグルトを機能性表示食品として全国発売した。昨年10月発売した「たんぱく質が15g摂れるチチヤスのむヨーグルト」のパッケージに表示。乳由来のたんぱく質(ホエイとカゼイン)のほか、希少糖のアルロースも配合し男女問わず関心の高い〝脂肪燃焼〟の機能性も訴求する。「たんぱく質含有量を増やすことで発生する独特な風味を抑え、チチヤスヨーグルト本来の風味を維持。手軽に飲みやすい食感となるよう開発工程で工夫した」(広報担当)昨年4月は、1997年発売のロングセラー商品「毎朝快調ヨーグルト」ブランドでビフィズス菌を増やして腸内環境改善が期待される植物繊維イヌリンを配合した「同 腸内環境改善」と「同 低糖質」の2製品を同社初の機能性表示食品として開発し、市場に投入。民間調査会社によると商品数増加で今後も拡大が見込まれており、2024年は7350億円に伸長すると予測。くれぐれも日頃の食生活と運動の習慣を大切に。

会社に誇りを持ち、家族に自慢できるような職場に。昨年末にオフィスをリノベーションした中電工業は3月19日、マルニ木工のラウンジチェア「HIROSHIMA」を導入し、納品セレモニーを開いた。マルニ木工の山中武会長が4脚を納品後、現在までの歩みをざっと話した。バブル崩壊後の経営難や、数千脚が採用されている米アップルの本社「アップル・パーク」の様子、昨年5月のG7広島サミットで使われた家具の製作エピソードなどを紹介。中電工業の石井浩一社長は、「100年たっても世界の定番として認められるものづくりを目指す姿勢に大いに刺激を受けました。イスはミーティングやイベントなどを行う多目的な空間に置き、新しい価値を創造するシーンで活用したい」

日本食が世界的に人気という。しかし日本食の主役でもある魚など水産物の国内消費量は年々減り続け、20年間で40%以上減少(農林水産省統計)。スーパーなどで買い求める魚は切り身や調理済みが大半を占め、家庭の台所で魚を三枚におろす光景はますます少なくなりそうだ。鮮魚取引アプリのウーオ(中区)は3月7日の「さかなの日」に合わせて魚食に関する意識調査を行った。10〜60代の全国200人がインターネットで回答。8割以上が魚を食べるのが好きだと答えた。95.8%がスーパーで購入。外食で食べる人も約6割と多かった。購入時に大半が刺身や切り身などの調理済みを選び、下処理への苦手意識がうかがえた。魚を買わない理由は「調理が面倒」が最も多く、鮮度の低さ、後処理の手間が続く。万力悠人(まんりきゆうと)専務は、「やはり魚が好きな人は多いと分かった。当社は全国の港と消費地をつなぐアプリを展開しており、今後も豊富な魚種を家庭に届けるよう全力を挙げます」

中心部の再開発が進む中、本通の移り変わりを振り返り、今後の街づくりに思いをはせてほしいーと、市郷土資料館は企画展「歩いて楽しい、本通」を始めた。5月6日まで。広島城下に西国街道が引き入れられて始まる本通は、広島有数の繁華街としてにぎわってきた。大正時代後期の絵葉書「革屋町本通」、1615年創業の薬種店・金川屋(現赤松薬局)の「広島諸商仕入買物案内記」(明治16年)、旧播磨屋町の薬種店・井筒屋の看板、復興した本通アーケードの写真(昭和29年)など貴重な資料を多数展示。大人100円。4月27日にフィールドワーク「歩いて楽しむ、本通」(事前申込で20人、1人50円)もある。桜も開花。いい季節になった。

安芸太田町を拠点に活動する女子硬式野球社会人チーム「S-TIME PRINCESS」が発足。運営母体の(社)ライフステージ(安佐北区)は3月19日に同町、県立加計高校と地域包括連携協定を結んだ。女子野球を通じて選手と人手不足の町内企業をつなごうと、同法人が町に連携を打診した。人口は約5500人と県内最少で、高齢化率は52%を超える。高校のグラウンドと町の施設を提供し、球団は町のPRを担う。13〜23歳の学生や社会人計5人から始め、来春までに12人体制にして中四国リーグ参入を目指す。3年後までにスポンサー企業を現在の3社から10社に引き上げる。大瀬戸亮平代表理事は、「選手を雇用したいと数社から問い合わせがあり、既に1人が町内の老人福祉施設に正社員で入社するなど、手応えを感じる。社会人になっても野球を続けたい選手の〝第二の故郷〟となれれば」女子硬式野球の競技人口は8年前の約2倍に増え、県内は廿日市と三次でチームが発足。昨年9月には三次でワールドカップ一次リーグが開かれた。

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