広島労働局(釜石英雄局長)は2月7日、社員の子育て支援体制が特に優れた「プラチナくるみん企業」に青山商事(福山市)を選んだ。県内2社目。社員の6割近くが女性で、女性向けキャリア研修や男性向け「プレパパセミナー」開催などに取り組み、2021年度からの2年間での育児休業取得率は女性100%、男性も7割超となった。青山理社長は、「人を最大の経営資源と捉え、仕事と育児を両立するための環境整備を続けてきた。店舗が多忙な土日でも社員が休みやすいよう、他店からの応援体制を整えている」一定以上の基準を満たす「くるみん企業」は、就学前の子を持つ社員向けに短時間勤務制度を導入した日本クライメイトシステムズ(東広島市)と、育児休業取得率が男女ともに100%だったワイザーリンゲージ(福山市)の2社が選ばれた。管内のくるみんは76社になった。

県内企業で役員や管理職への女性登用がなかなか進まない。県の2023年度調査によると、役員比率は前年度から微増の24.8%、管理職は1.7ポイント増の18.6%だった。なぜ足踏みしているのか、その理由の一番は何と、女性自身が昇進を希望しないからだという。企業向けコンサルや社員研修を手掛けるキャリアフォーカス(中区広瀬北町)の棚多里美代表は、「近年は多くの企業で意欲的に女性登用に取り組んでいるものの、いざ人事を打診すると、女性は家事や育児を両立させる上で大きな不安が根底にあるためか、自ら昇進を断っている。そして無意識に自分の能力を過小評価する傾向もある。ワークライフバランスに対応した労働環境はもちろん、キャリア形成や人事評価などの制度を整え、積極的に女性の能力を引き出していく。そうすると職場は一層元気になると思います」棚多さんは県庁時代に働く女性・子育て支援部長、県男女共同参画財団で常務理事などを歴任し、19年に独立。ますます働き手不足が深刻化している日本にとって女性の活躍こそ、最も力強いエンジンになるという。

CO2 を蓄える木材に注目し、関係省庁が大規模建築物の木造化を急ぐ中、注文住宅のエヌテック(西区大宮)は2月29日、安佐南区西原の国道183号沿いに木造3階建物を初めて完成する。敷地588平方㍍に延べ963平方㍍。1階にテナントスペースを設け、2〜3階は集合住宅にする。「SE構法」を採用し、耐震等級は最も高い3を実現。同構法が使われた建築物は全国2万5000棟以上あり、東日本大震災や能登半島地震でも倒壊が0件という。断熱等級6レベルで、省エネ効果もある。JAS構造材実証支援事業を利用。野坂和志社長は、「ドイツ語で木の家を意味するHolz(ホルツ) hausと名付け、木材特有の断熱性や調湿性をうまく引き出しながら快適で健康的な住まいを目指した。工務店ならではの技術と提案力を生かし、回遊性などを高めている」同日に見学会を開き、土地の有効活用を提案していく。

非破壊検査のウィズソル(西区)は2月9日、本社近くの南観音小学校の6年生139人と共同でプランターに花を植え「フラワーロード」を作った。昨年に続き2回目。地域貢献活動として2022年に打診し、学校も快諾。キャリア教育を兼ねた企業紹介や、検査で使うドローン実演などで交流を重ねてきた。作業当日は外輪純久社長と20人近い社員が学校へ赴き児童と一緒に花を植え付け、プランターを同社から学校に至る道路約100㍍に並べた。外輪社長は、「きれいな花と子どもの笑顔は、地域を明るく元気づけてくれる。人と人が触れ合い、心の通う魅力的な町づくりに少しでも役立つことができるよう、永く続けていきたい」どんな活動に取り組めば良いのか、双方で話し合った。フラワーロード作りは児童からの提案。ほかにエコバッグ制作や住民とのイベント開催といった提案があったが、同社からは地域の貢献度や実現可能性について遠慮なく意見を出したという。本気の議論が何よりの学びになったのではないか。

毛利一族ゆかりの地を巡り御城印を集めて広域観光を楽しんでもらおうと、毛利氏関連博物館等施設連携事業推進協議会(事務局・広島市広島城活性化担当)は、「百万一心家紋ラリー」を行っている。2月29日まで。イベント用に作った広島城(毛利輝元)、郡山城(安芸高田市、毛利隆元)、日山城(北広島町、吉川元春)、岩国城(吉川広家)、三原城(小早川隆景)の限定御城印(1枚200円)を現地で購入し、5枚のシールを専用紙に貼って応募すると、抽選で50人に吉川元春花押・家紋入りトートバッグが当たる。「9日現在で応募は36通。昨年は毛利元就の郡山入城500周年で、広島城では三の丸歴史館整備が進む。ラリーを機に五つのエリアを周遊する広域観光の魅力を県内外へ発信したい」(事務局)

広島経済大学の学生が初の国産乗り合いバスとされる「かよこバス」をPRするのぼりを作り、2月18日にJR横川駅周辺であった祭りの盛り上げに一役買った。祭りは同バスの復元と横川駅のリニューアル20周年を機に、廣島かよこバス活用委員会が企画。広告デザインを学ぶ17人が「え!バスって横川発祥なの?」、「人と人を繋ぐ物語の町、横川」などのキャッチコピーと、アニメ調のキャラクターやバスのイラストをあしらう6種類を考えた。のぼり製造のポップジャパン(同)が企画・製造に協力。「産学連携の活動に力を入れ、これまでも廃材を使う交通安全グッズなどを共同開発している。教育の質を高めるとともに地域貢献につなげたい」(同大)

保護猫とのふれ合いを楽しむカフェ「廣島ねこ奉行」を営む(社)ベルカがペット葬祭事業を始めた。南区東雲本町2ー13ー26の2階建て貸店舗に葬儀場と約150匹分の納骨堂のある「ペットセレモニーのあ」を設け、火葬車も導入。野田友恵代表はペットの死を悲しむ人との向き合い方を講座で学んだ。飼い主が体験を話し合うワークショップを始め、心のケアも行いたいという。「殺処分を減らしたいと2019年に中区本通にカフェを開業。587匹を受け入れ、533匹が里親の元へ巣立った。譲渡時に受け取る5万円ほどの手数料だけで医療費や餌代を賄うのは難しく、寄付でなんとか運営している。新事業を軌道に乗せ、より多くの猫を迎えたい」

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