宮島の力を結集
昨年1〜12月に宮島を訪れた人は465万2252人。過去最多の2019年に5000人及ばなかったものの、G7広島サミットが効果を発揮し、国内外からの来島者で大いににぎわった。宮島観光協会の中村靖富満会長(やまだ屋代表取締役)は、「年末年始も大勢の参拝者らが訪れ、いいスタートが切れた。昨年は2、3、6、7、10、12月がそれぞれ過去最多を記録。円安やコロナの5類移行などを追い風に外国人観光客が目立つ。最近はインドやシンガポール、マレーシアなど東南アジアからのインバウンドが増えている。ハラールやベジタリアンなどの対応に配慮し、日本ならではのおもてなしの心が一人一人にしっかり伝わる取り組みが不可欠。国際情勢が混沌とする中、円安が続くと一段と日本へのシフトが加速する。決して今をおろそかにしてはならない。宮島の奥深い魅力を知ってもらう努力を重ねていく。地域の力を結集し、楽しんでもらえる仕掛けをさらに工夫したい」もみじまんじゅうなどの物販は人出に比例して回復してきている。しかし宿泊施設ではコロナ禍で人員削減した影響もあり、一部ではやむなく予約を断っている状況という。昨秋は人材採用の合同説明会を開催。もてなしの備えに万全を期したいと思いを込める。
広島の未来を造る
元日の午後4時過ぎに能登半島地震が発生し日本を揺るがせた。翌日は羽田空港の航空機衝突事故が起きるなど、波乱の幕開けとなった2024年。広島青年会議所(JC)は1月15日に市内ホテルで新年互礼会を開いた。森信秀一郎理事長(森信建設常務)は、「われわれが思い起こすのは18年7月に広島で発生した豪雨災害。陸路が分断されてなかなか救援物資が届かず、息の長い支援が必要になった。これを教訓とし、地域が手を携え、みんなで助け合う大切さを学んだ。JCは今何かできるのか、みんなで考え、速やかに行動を起こしたい」かつてない年明けに表情を引き締めた。新年度スローガンに「語ろう広島の未来 造ろう青年の手で」を掲げる。地域の行政や団体とのつながりを深め、45年の被爆100年を見据えたまちづくり議論や活動を展開したいと決意をにじます。 来賓の湯崎英彦県知事は、「広島駅前や中心部の再開発など今、まさに大きな転換点にある。次の時代を担うJCがリーダーシップを発揮し、未来の都市を形づくってもらいたい」とエールを送った。
東広島JC互礼会
東広島青年会議所(JC)は1月9日、広島エアポートホテルフォレストヒルズガーデンで新年互礼会を開いた。柏迫一正理事長(マルイチ商店専務)が所信で、「不確実性の高い時代だからこそ、われわれには強いリーダーシップが求められている。相手を尊重し思いやる心を持って活動するという意味を込め、スローガンに〝Compassion〜誇りある未来を共に創ろう〜〟を掲げました。東広島の国際化推進の取り組みや、環境問題に関する子ども向け教育の推進、兄弟JCである北海道北広島JCとの共同事業など、メンバー一丸で取り組んでまいります」髙垣廣徳市長は、「今年は市制50周年の節目の年です。この間に人口は3倍の約19万7000人に増え、今なお成長する都市として全国から注目されています。これまでの歴史を大切にしつつ、次の50年に向けて挑戦し続けたい」
マツスタで決勝戦
幼少の頃ぜんそくを乗り越え、地域のソフトボール大会で優勝した感激が心に残り、その後の人生を何かと支えてくれたという。第10回マエダハウジングカップ少年野球大会の決勝戦が昨年12月17日、念願のマツダスタジアムで開かれた。主催者のマエダハウジング(中区八丁堀)社長の前田政登己さん(58)は、「10年を重ね、ようやく定着してきた。私も夢中になってボールを追っかけ、走り、そして優勝した経験は何事にも代えがたい。感激した出来事、感動した思い出は生きる活力になると思う」昨年は過去最多の62チーム、1000人以上が参加し、県内の複数会場で3日間の予選を繰り広げた。原クラブが優勝し、準優勝はスポーツ少年団三入クラブ。同社はサッカーやバスケットボール、けん玉などの大会も主催する。過去の大会参加者が入社し、今は大会運営も担当。さらに輪を広げ、いつまでも続けてほしい。
スギを見直す
中国木材はオープンハウス・アーキテクト(東京)と国産材活用プロジェクトを立ち上げ、第一弾で九州南部のブランド「飫肥杉」を用いたカウンターの販売を始めた。江戸時代から九州の南部で植林されてきた飫肥杉はスギの中でも脂分が多く、空気を多く含む上に適度なしなやかさを持つといった樹種的な特徴がある。当時は木造船の最適な部材とされたが、今は造られなくなり大径木の活用方法がなくなってしまったという。同社会長室に試作で置かれていた飫肥杉の板がオープンハウス担当者の目に留まり、一緒に取り組むことに。営業部の新谷光生係長は、「スギは一時期、構造材向けの曲げ強度など輸入材が有利な側面との比較で妙な安物扱いされたが、それぞれに良さがある。学名はクリプトメリアヤポニカ。日本を代表する樹種で、次世代へつないでいきたい」
相続争いを回避
相続件数の急増にともない「争続」に発展するケースが増えているという。弁護士法人山下江法律事務所(中区)の山下江会長は、相続開始から10年経過後の遺産分割の取り扱いが変わった相続法改正などを踏まえ、再改訂版「相続・遺言のポイント56」を南々社から発刊した。相続の相談件数は1年間で約500件、受任件数は約160件に上る。全国の法律事務所でもトップクラスの実務歴と豊富な経験に基づき、同事務所所属弁護士と相続アドバイザーらが執筆。編集著作者の山下会長は、「超高齢社会に突入しかつてない勢いで相続件数が増えている。社会問題化している所有者不明土地の解消を目的にした不動産登記法の改正で今年4月から相続登記が義務化。昨年4月27日からは相続土地国庫帰属制度も始まり、相続手続放置で生じる混乱、不利益を避ける対応が欠かせない。あまりに法律に無知なため、無駄な争いを引き起こすケースをたくさん経験してきた。親族間で〝争続〟にならないよう法律に照らし、互いの理解を深めてもらいたい」A5判・208㌻で1540円。