アイスランドを代表する作家オラフ・オラフソンが2020年に執筆し、現地でベストセラーとなった恋愛小説「TOUCH/タッチ」が同国出身監督の手で映画化する。同国の老夫50年前にロンドンで出会い、失踪した日本人の元恋人ミコを捜しに広島を訪れるストーリー。昔のミコ役はKōki,さん、その父役を本木雅弘さんが演じ、被爆の歴史にもスポットを当てる。広島市内や呉、竹原などで撮影した。「初めて原作を読んだ際、原爆が1人の人生にこれほどまで影響を与えるのかと衝撃を受けた。ロケハンでは広島平和記念資料館を訪問し、被爆者の話を聞くなど実態の理解に注力。語り部の言葉はどんな資料よりも深く印象に残ったので、映画でも個の人生の描写を重視した」ロケハンでクルーが泊まった竹原市内の民泊オーナーが偶然にも被爆二世で、関連資料や私物を複数提供してもらったという。「日本被団協がノーベル平和賞を受けたのも、近年はそれだけ核兵器の脅威が注目されているから。一方で若者の多くは戦争や国際情勢に関心が薄いように思う。この映画をきっかけに世界を見つめ直し、平和を語ってほしい」1月24日から全国で公開する。
担当記者:額田