1845年創業で、ペプチド合成やアミノ酸合成品などの試薬業を主力に2500品目以上を製造・販売。昨年11月に環境調査・分析を行うアサヒテクノリサーチ(大竹市晴海町)の子会社となりました。長い人生を振り返ると、苦境に立たされたことが幾度もありました。地元・鹿児島の高校を卒業後、1972年に発泡スチロールの製造・輸出を行う大阪の企業に入社。貿易業務部署に配属されて不慣れな社会人生活でしたが、入社2カ月後に手形不渡りにより会社が突然倒産した。悩む暇もなく次の職場を探し、化学品の受託製造を手掛ける京都の会社へ転職。少人数の社員の中で製造・営業・工場管理などを担っていたが、数年後に工場内で爆発事故が発生し法的処置を受けることになった。それを知った取引先からの信用が落ちて受注がめっきりと減り、このままではまずいと東京のある会社に電話をかけて必死に営業活動。結果、耐酸防止剤の大型受注につながるなど多くの受託製造案件を獲得することになり、会社の存続危機を脱することができた。これらの経験から、今後どんな困難があっても「どうにかなる」との信念を得る、尊い経験となりました。6月に子会社・八幸通商(東京)を吸収合併し、今後は化学品の量産化に注力。今の経営状況は決して良いとは言えませんが、再スタートにあたり過去の経験と両社の強みを生かし、会社の発展を目指したい。

担当記者:阿戸

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