不動産業や損害・生命保険代理店事業を手掛け、8月に創業360周年を迎えます。本社を構える中区堀川町のレックスMBや第1レックスビル、第2レックスビルをはじめ複数の物件を所有。多くのクラブやラウンジ、スタンド、飲食店に入居していただき、流川のにぎわいの一端を担っています。当社は出雲屋与兵衛が寛文4(1664)年に当地で「出雲屋」と屋号を付け、雑貨・家具商としょうゆ醸造で個人創業。文政(1818〜31年)に神社仏閣用具の製造販売を、明治期には金庫販売と損害保険の代理店事業に手を広げました。1945年には原爆投下で建物が壊滅し、しょうゆ醸造から撤退。祖父は鎮魂の意味を込めて、焼け残った煙突の根元に仕事机を構えたと聞いています。立体駐車場建設に伴い、69年に被爆煙突は原爆資料館に寄贈。その後、76年に第1レックスビル、79 年に同第2ビルを相次ぎ竣工し、2005年には前述の立体駐車場跡地にレックスMBを建設しました。この場所は、もともと煙突のあった〝スタートの地〟。「第3」とせずに「メインビルディング(MB)」と名付けました。陶芸家の木村芳郎さんに依頼し、この地の土を混ぜた像「地の神さん」を制作。同ビル正面に鎮座し、流川の繁栄を願って毎日、街を見守ってくれています。流川もようやく活気が戻ってきましたが、コロナ禍で根付いた飲み会控えの意識は拭えません。皆で協力して新たな楽しみ方やコンテンツを生むような活性化策を考えたいですね。
担当記者:吉田