上智大学名誉教授を務めており、65歳以上がゼミ形式で学び直す「シニア塾」の開講に向けて昨年2月に当社を設立した。既に2〜3月に市内で第1回を行い、5月から東京でも予定。さまざまな地域に広げる方針で、運営を任せられる後進を探している。広島生まれで広島大学大学院教育学研究科博士課程を修了。教育学といえば学習指導方法やカリキュラムの開発などが真っ先に思い浮かぶだろうが、私は当時からリベラル教育を重要視。何歳になっても学び続けることが感性を豊かにし、人生を深める。30歳過ぎの頃だったろうか、佐賀大学で講師になることができ、研究や授業の準備に明け暮れた。38歳のとき幸運にも学部長の目にとまり、厚労省の生きがい講座や健康増進プログラムの作成メンバーに推薦してもらった。生涯学習という言葉が世間に浸透していない時代。求められるもの、必要なものは何かを分析し、講座内容を作成した。日本のサラリーマンは定年退職まで組織の歯車の役目を全うするが、それだけを考えて生きた人のセカンドライフは果たして充実するだろうか。「仕事に変わる何かを求めたい」「再出発したい」という声を多く聞く。65歳以上になってからの選択肢は意外と多い。今度は自分の人生を生きてほしい。当社は「老いて学べば則ち死して朽ちず」を理念に掲げている。無論、私自身もそうだ。その信念は今日まで一度も揺るいだことはない。
担当記者:吉田