中区小町の築45年の5階建てビル(延べ約435平方㍍)をリノベーションし、若手アート作家の活動拠点「リノリノアパートメント小町」を2月に開いた。「広島は作家を志す人が多い半面、収集家との接点が少なく、アートコレクターとして交流の場を整えたいと考えた。ここで腕を磨き、世界で活躍する作家が生まれてほしい」東広島市出身の油絵抽象画家・村上貴信氏(28)が5階にアトリエを構え、4階は20代の油絵画家、切り絵作家、写真家の計3人が活動拠点にする。3階に個展や撮影向けの貸しスタジオを設置。2階にフランス料理店「NEUT(ニュート)」が3月にオープンし、1階はアパレル店が今夏開業を予定している。アートの敷居を下げたいと、改装には村上氏の協力を得て〝家の中に自然と作品が溶け込む〟雰囲気を大切にしたという。「白が基調の一般的なアトリエと違い、内装を青みがかったグレーにして、購入者が実際の部屋に作品を置くイメージをしやすくした。作家と収集家をつなぐ『ヒロシマコレクターズクラブ』発足も視野に入れるなど、これからもアートを楽しむ文化が広島で根付くように微力ながら貢献していきたい」