慣れ親しんだ環境から飛び出す勇気

「付加価値が問われる時代を生き抜く」と題し、値決めの作法から価値最大化への道のりまでレクチャーしました。反響があり自治体の招きで2カ所のワンデイセミナーほか、7月12日から中国新聞文化センタークレドビル教室で3カ月講座の開催が決定。前者は満員ですが、クレドビル教室の講座は受付中なので末尾で詳細をご確認ください。さて、今回は付加価値アップのための補足として非常に言いにくいことをお伝えしなければなりません。やる気になった、あなたの気持ちを萎えさせるかもしれない最大の難敵が「同業他社の目」です。広島の経営者は、ターゲットであるお客さまよりも周囲、特に同業者からどう見られているかを気にする傾向が病的なレベルであり、反感を恐れて「当たり障りがないもの」に着地する。高いレスポンスが期待できそうなパワフルなウェブサイトを立ち上げたのに「周りから浮き過ぎた」とプレッシャーに感じ、元のさえないサイトに戻してしまった経営者を知っています。広島の経営者セミナーの講師を務める際に、かなりの頻度で耳にするグチ「新しいことに取り組もうとすると古参や同業から遠回しにたしなめられる」にも、そういった地域特性がうかがえます。私も経済団体の勉強会で、突っ込んだ議論は「和を乱す」と自制を求められたり、発言の途中で「持ち時間が過ぎた」と強制終了させられた経験もあります。勉強会を意味あるものにするのであれば、ときに忖度不要で耳の痛い事実をとことんディスカッションせねばならないはずです。ぬるま湯的な、なれ合いは時間の無駄。あなたが向き合うべき、そして話を聞くべきは、目の前にいるお客さま以外にありません。まずは営業スタッフ、お客さまお問い合わせ担当、苦情受付まで総動員し、徹底的なヒアリングから始めてください。ヒントは常に現場にある。自社の商品やサービスの良いところだけではなく、デメリットを聞く勇気を持ちましょう。至らない箇所やお客さまの新たなニーズがつかめたら商品の改良・開発に着手しますが、手や時間のかけすぎはよくありません。6〜7割完成したら即市場に出してみて、テストします。ポイントは「失敗するならできるだけ早く」です。このサイクルを繰り返していけば、リスクも低減でき、成功の種は案外早く見つかります。孤独なマーケティングに挑むあなたにオススメしたいのがジョフ・コルヴァン著「新版・究極の鍛錬」(サンマーク出版)です。NYタイムズでもベストセラーになった本で、心理学の観点から導かれた、抜きん出る存在になるためのメソッドが満載。成長の足かせになっている盲点、世界的な偉業を生み出す秘訣、天才に負けないアイデアの出し方、正しいゴール設定、人材育成法まで、即実践可能なものばかりで心の支えになるでしょう。

プロフィル

小林 カズヒココピーライターやアートディレクターを経て、中四国初の本格的なマーケティングコンサルに転身。中小企業経営者や個人事業者へのコンサルほか、金融機関からの依頼で経営が悪化した企業への助言も実施。これまで数十種の業態のコンサルを手掛け、そのスキルの即効性はコロナ禍でも実証されているという。
マーケティング診断や相談先メール(匿名不可):marketingdefense@harukomania.com

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