電気通信工事などのメディアテック一心(福山市赤坂町、中新孝博社長)は3月、人材派遣などの高昌(大阪府堺市)の全株式を取得した。通信各社の5G基地局の増設などを背景に受注が拡大する中、技術者の確保につなげる。高昌は通信工事会社に人材を派遣するほか、自社でも施工する。資本金1000万円で年商は5〜6億円規模。後継者が不在で承継先を探していた。多様な雇用形態で約50人を抱え、若手の比率が高い。高昌の社員に工事を担ってもらうほか、人事交流による人材育成や採用力の強化にも期待する。メディアテック一心の今川貴之常務が代表取締役社長に、中新社長が代表取締役に就いた。人材確保と業績向上を狙い、今後も同業や電気工事会社のM&Aを検討。メディアテック一心は2019年にソフトバンクと資本業務提携を結び、同社向けを中心に基地局工事の受注が年々増えている。24年9月期売上高は前年比6・3%増の68億1800万円を計上。29年に100億円を掲げる。体制を強化し、主力の広島、東京に加え、大阪、福岡でシェア拡大を図る。高圧受電設備などの電気工事も増やす。IT分野にも注力し、22年に立ち上げた専門部署で工事の原価管理システムの開発を進める。同社を中核とする一心グループは12社から成り、電気通信工事、飲食・宿泊などのサービス、機械加工などの製造の3分野を展開。昨年末に飲食店経営のめだか(福山市)を傘下に加えた。食品輸出の一心トレーディング(東京)は今月中をめどに韓国に日本酒卸の合弁会社を設立する。25年9月期にグループ年商100億円突破を見込む。

担当記者:大島

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