企業や学生でつくる任意団体「ひろしまカフェレストラン応援プロジェクト委員会」(河原真治代表)は、学生がサポートするシニアのeスポーツ体験会を年間通じて開催する。県や市などの後援を受け、第1弾を4月23日と29日に商業施設「スパイラルガーデン大州」で実施。高齢者のフレイル(虚弱)予防に加え、学生に高齢者福祉への理解を深めてもらうことで、人手不足が深刻な介護業界への就職を志望するきっかけづくりにもつなげる。日本eスポーツ連合によると、2023年の国内市場は前年比17%増の146億8500万円だった。近年は学校の部活動にも採り入れられるなど若者を中心に人気が広がるとともに、認知症予防や反射神経を鍛えられるとされて介護施設などへの導入も進んでおり、世代間交流を促進する。福祉コースがあり校内でeスポーツ大会を開催した広島桜が丘高校や、介護福祉学科のあるトリニティカレッジ広島医療福祉専門学校などが協力。学生は高齢者とペアを組み、補助しながらパズルゲームやリズムゲームなどを大会形式で楽しむ。スマートフォンのレクチャーやゲームの感想を話し合う交流タイムも用意。年内に6回程度計画するほか、小規模な体験会も毎月開く。介護事業者や大学といった教育機関、IT業者などの協賛を募る。河原代表は「eスポーツの楽しさと介護の奥深さを体験できるイベントとして定着させたい。今後は高齢者にゲームを指導する人材育成カリキュラムの構築も検討している」と話した。
担当記者:高見