金融コンサルティングのFirst bit(ファーストビット、南区、新田信雄社長)は、指定管理業務に乗り出した。7月から、本州で最も星がきれいに見えるとされる「日原天文台」(島根県津和野町)に隣接のプライベートコテージ 「ペンション北斗星」の運営を担う。一棟貸し方式で企業の研修の受け入れや富裕層向けのサービスを充実させるなど、集客のてこ入れを図る。
北斗星は1985年開業で、地上1階地下1階建て延べ633平方㍍。近年は自然災害による主要アクセス道路の一時通行止めなどで客足が遠のき、2022年から休業していた。ファーストビットがリニューアルなど北斗星の再建案を同町に提示し、指定管理者に選定された。12室ある客室の一部の間仕切りを取り除くなどして8室に変更。大広間を用意し、原則一棟貸しとすることで運営の効率化を図る。高級レストランと連携し食事を振る舞うオーベルジュ事業やサウナ設備の新設に加え、シーシャ(水たばこ)なども用意。光害が少ない星空の下、食事や〝ととのう〟体験を楽しんでもらいたいとする。宿泊料は一棟5万円を想定(オーベルジュ開催時を除く)。日原天文台は一般公開された中で日本最大級の口径を持つ天体望遠鏡を備える。現在は同町の教育委員会が運営しており、将来はファーストビットがコテージと一体運営することで相乗効果を狙う。同天文台のネーミングライツの募集や、コテージの宿泊権をふるさと納税の返礼品に加えるなど工夫し、地域振興にも力を入れる。幼少期から同天文台に通っていたという新田社長は「夢の一つであった宇宙に関する仕事に携われて感無量だ。全国から誘客したい」と話した。
担当記者:高見