2020年4月に県スポーツ推進課が設けた「スポーツアクティベーションひろしま」(SAH)は、国際・全国大会などの誘致促進によって県外からの交流人口や観光消費額を増やすなど、地域経済の活性化に成果を上げている。2月1日付で、Jリーグ特任理事やプロバスケチームGMなどを務めた後にスポーツデータ調査分析会社を経営する秦アンディ英之氏が代表に就任。スポーツ振興には企業との関わりが欠かせないとして、広告出稿を含めた〝スポーツ投資〟の利点を伝えていく方針。「わがまちスポーツ」と銘打ち、これまで11市町のにぎわい創出の取り組みに3カ年で毎年2分の1補助・最大500万円を行っている。例えば21年に三次市で初開催された女子硬式野球西日本大会は毎年約30チーム・選手600人が集まる。女子野球チームとスポーツコミッションの結成などと併せて評価され、WBSC女子野球ワールドカップ(グループステージB)を10万人以下の自治体で初めて誘致することに成功した。三原市の佐木島で離島初となるジャパンサイクルリーグ公認のロードレースを、空港近くの中央森林公園と同島ではファンライドみはらを開催。このほか、「尾道海属」のコンセプトを掲げてマリンスポーツをサイクリングに次ぐ観光資源に育てる試みなども後押ししている。25年度はラグビーチーム中国電力レッドレグリオンズの本拠地がある坂町の小学校で、機運醸成のためのタグラグビー体験などを支援する。県内25チームの競技の枠を超えた応援プロジェクト「チームウィッシュ」にも注力。複数チームに関わる活躍予想ゲームなどを通じ、さまざまな競技への興味を喚起する。専用サイトは選手のインタビュー記事など約180本を掲載している。秦代表はソニー勤務時代にブランドマネジメント部でグローバル戦略構築を担当した経験からも、企業スポンサーの有効な広報戦略を伝えていきたい考え。「企業側のリターンとしてブランド、売り上げ、社会貢献、ホスピタリティー、インナーマーケティング(社員の愛着強化や理念浸透)の五つを意識してほしい。売り上げ目的ならば製品購入者に選手グッズの抽選権を付与して拡販したり、ホスピタリティーやインナーマーケティングであればチケットを贈ったり交流の場にするなど、打つ手が変わる」と話す。

担当記者:吉田

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