大野石油店グループで、酸化チタン光触媒コーティング剤を製造販売するエコート(中区西白島町、大野貴嗣社長)は3月1日から新製品「ミラクルチタン光触媒Connect」の販売を始めた。佐賀大学の一ノ瀬教授と共同開発。従来製品を進化させ、室内向けに展開する。光触媒は光が当たることで抗菌・抗ウイルス効果を発揮するが、同製品は酸化チタンに銀・銅を担持させたことで、光のない暗所でも金属イオンが作用し続ける。これによって医療施設やオフィス、公共施設など、光の届きにくい場所でも衛生的な環境の持続が可能となる。独自技術で完全水系・バインダーレスを実現し、VOC(揮発性有機化合物)を一切含まないため、施工後のホルムアルデヒド放出もない。環境負荷を抑えながら高い効果を発揮することが特長で、衛生管理と環境配慮を両立できるという。ISO21702試験では24時間で99%以上のウイルス減少を確認。SIAA(抗菌製品技術協議会)の認証を取得し、光触媒工業会のPIAJ認証も進行中だ。金属やデリケートな素材にも塗布が可能で、屋内の壁や天井のほか、手すりや家具、家電製品などにも適用できる。衛生対策だけでなく、光触媒効果による消臭やVOC低減も期待でき、快適な室内環境づくりに役立つという。大野石油店グループは1999年から光触媒事業を展開し、広島駅やマツダスタジアム向けなど施工実績を重ねてきた。エコートは2006年にグループ入りし、19年に南区出島に生産工場を稼働。新製品は家電・建築・医療関連分野などへ展開する。施工業者によるコーティング施工と、メーカー向けの材料販売の両輪で全国展開を目指す。引き続き技術開発を進め、より多様な分野への応用も視野に入れている。
担当記者:藤井