呉市は「起業家支援プロジェクト」の採択者4人を支援するため、クラウドファンディング型ふるさと納税の募集を始めた。3月25日の締め切りまでに目標金額を達成しなかった場合でも集まった金額を交付するオールイン方式で、事業化を後押しする。守本怜矢さん(さとまる不動産)は、地域住民の協力とオンライン活用による新しい空き家流通モデルを提案。田舎では空き家や地域に関する情報だけでなく、不動産業者も少ない。情報を提供する地域住民「センパイ」に空き家の売買が成立した際に成功報酬を支払うことで、空き家情報を集める。情報提供や宅建業(契約行為)はオンラインを想定。三上剛司さんは、介護保険を使わない高齢者向け生活支援サービス「心(しん)」を提供。病院内での介助と買い物や外出の付き添い、庭の除草や剪定(せんてい)などを行う。開業から5年で、延べ2685件のサービスを実施。今後は6月をめどに法人化を目指すほか、スタッフの確保・育成強化を図る。原本司さんは、砥石エンジニアとしてのスキルと趣味の料理を生かし、作った器で旬の食を楽しめる体験型切子ギャラリーダイニング「くれきりこ」のオープンを目指す。通常、本格的な切子を作るには約3日かかるが、3時間程度で完成させられるよう装置を工夫。資金はダイニング改装費などに充てる。折川奈津美さん(NPO法人CLEAR)は、低所得者でも利用可能な料金設定で居住支援、生活支援、身元保証、法人後見、死後事務を一体的に提供する「ALLライフサポート事業」の実現を目指す。医療・福祉専門職がそれぞれの専門性、強みに応じたサポートを兼業で行うほか、住民が有償ボランティア的に相互で助け合うことで、質の高い支援と低料金の両立を図る。起業家支援プロジェクトは今年度初めて、広島中央地域連携中枢都市圏(呉、竹原、東広島、江田島市、海田、熊野、坂、大崎上島町)に対象を広げたほか、市民参加型のブラッシュアップ勉強会を実施。同プロジェクトの認知度を広げることで、挑戦や起業を応援する風土をつくり、創業機運の醸成を図りたいとする。

担当記者:高見

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