きっかけオノミチ(合同)(後藤峻代表社員)は尾道市久保3―5―1で築120年の古民家を改装し、コワーキングスペース「bench!(ベンチ)」=外観写真①=をオープンした。2階にはシェアオフィスを併設。交流会や勉強会などのソフト面を充実させ、協業や移住、地域活性化のきっかけづくりを目指す。2024年度アクティブベースくれの地域活性化支援制度「幸運(グッドラック)」を受賞した。

近くに市立中央図書館や市役所などがある。かつて豆腐店を営んでいた古民家の天井や床、内壁などを約500万円かけて改装し、昨年12月に開業した。助成金のほか市の奨励金、クラウドファンディングなどを活用した。1階のコワーキングスペース=写真②=は約80平方㍍、2階のシェアオフィスは約50平方㍍。1階には6人が使える多目的ミーティングルームも設け、コピー機、スキャナー、シンク、冷蔵庫、電子レンジ、電気ポットなどを備える。1、2階各15席を配置し、他に1階には座卓もある。シェアオフィスは月額8800円で24時間365日利用できる。コワーキングは月額3300円で、現在は月・金曜の午前9時〜午後6時、土曜午前9時〜午後1時に営業。スポット利用は1日550円。1階のイベント利用などにも応じる。開館後、交流会や地元在住のイラストレーター・わしおさむ氏の個展などを開催。デザインやプレゼン、コワーキングスペース運営などの勉強会、拠点内外の交流会も企画。シェアオフィス、コワーキングの会員各10人、協業企業などのカンパニー会員(月2万2000円)3社を目標にする。後藤代表は京都市出身の38歳で、大阪外国語大学(現大阪大学)卒。印刷会社勤務を経て、結婚相手の故郷にあたる尾道市のシェアオフィス「ONOMICHI SHARE」で8年間勤務しマネージャーを務め、24年5月に起業した。現在、県立尾道商業高校の産業教育コーディネーター、尾道市移住定住コンシェルジュ、広島県移住施策地域コーディネーター、日本ワーケーション協会公認コンシェルジュなどを務める。「将来は従業員を雇用し、尾道の人や活動の橋渡しを担い、協業や交流のきっかけをつくれる人材を育てたい」と話している。
担当記者:大谷