常石グループが昨年7月に新設したIntegreat(インテグレート、福山市沼隈町常石、高橋賢次社長=写真=)は、手作り総菜の製造事業に乗り出す。今年5月中旬のサービス開始に向けて「つくりおき.jp」運営のアントウェイ(東京)と西日本初となるフランチャイズ契約を結び、福山市内でセントラルキッチンを新設する。正社員13、パート5〜60人を採用する見込み。中部〜九州地方の共働き世帯をターゲットとし、2027年12月期までに売上高13億円を目指す。20年2月にアントウェイが始めた同サービスは週払いの定額制で、1000種以上の献立から1週間に1度、その週の分の料理をまとめて冷蔵で届ける。1食当たり大人2人、子ども2人分を目安とし、「週3食」(9990円)と「週5食」(1万5960円)の2プランを用意。料理は冷蔵庫で4日間保存できる。顧客が希望しない週は公式LINEから〝お休み登録〟を受け付ける。首都圏を中心に1600万食以上の販売実績があり、インテグレートでは収入700万円以上の世帯をターゲットとする。高橋社長は「自身も2児を育てる共働き世帯として食事には特に課題を感じている。サービスの普及が子育て世代などの環境改善につながれば」と話した。同社は常石グループが運営するファンドから出資を受け設立。同サービスの開始に伴い24年12月に資本金を2000万円から7000万円に増資した。将来は同市内での第2工場建設や子育て支援事業を進めたいとする。高橋社長は、04年に常石造船と双日が共同出資で設立した自動車リサイクル業の常石CRSの立ち上げメンバーとして入社。これまで法人向け産業エネルギー卸売りなどに携わった。24年1月に常石商事が新設した事業開発部付部長も務める。
担当記者:額田