広告代理店のニューズアンドコミュニケーションズ(中区富士見町、田村秀樹社長)は、新事業で民泊施設の運営に乗り出した。第1弾で「広島ホテル 並木通り」を中区袋町9―4に3室開設。これをモデルケースに、不動産オーナーに向けて空室対策として提案し、5年後に50室の運営を目指す。
本業の広告事業で観光や不動産業者と関わる中、インバウンドの増加と賃貸マンションの空室に着目。今後も外国人グループ旅行者向けの宿泊施設の不足傾向が続くとみて、築約50年の賃貸ビルの3室を賃借した。運営・管理は、民泊で県内大手のブレックファーストに委託。広島パルコから徒歩3分の好立地に、約48平方㍍の2DK(4〜8人向け)1室、約27平方㍍の1R(2〜4人向け)2室を設けた。「広島の自宅別室」をコンセプトにキッチンや冷蔵庫、洗濯機ほか、調理道具や食器、ドライヤーなど日常生活に必要なものを一通り用意。10月の開業から2カ月経過時点では想定を上回る稼働率で、インバウンド利用が約9割という。実際の経営を基に、事前準備やリサーチ、オープン後のデジタルマーケティングを使った集客ノウハウまで、不動産オーナーの開業支援も幅広く行う方針だ。民泊事業者の見学を随時受け付ける。田村社長は「閑散期には、当社のクライアントであるスキー場に加え、お茶や書道などインバウンド向けサービスと連携したプランを計画。使いやすさと手軽さを重視し、広島を訪れる旅行者から第一に思い浮かべてもらえるホテルブランドを目指したい」と話した。
担当記者:高見