広島県は2029年3月末をめどに、南区宇品西の県営鯉港住宅5棟を解体して敷地内に5棟計120戸を新築する。公募型プロポーザルであい設計(東区)とUID(福山市)の共同事業体を設計事業者に選定し、25年4月の着工を予定。県営住宅は1970年代に建てられたものが大半で、2021年に定めた「県営住宅再編5カ年計画」に沿って、改修や建て替え、統廃合を進めている。

近隣にディスカウントストアのMEGAドン・キホーテ宇品店や商業施設ベイシティ宇品がそろう宇品西2―14―31ほかの敷地6270平方㍍に、五つの住棟と、集会所を建設する。住棟全体の延べ床面積は7500平方㍍で、間取りは1DK、2DK、2LDK、3DK、3LDK。集会所は100平方㍍程度とする。駐車場を計75台分以上、駐輪場240台分を設ける。工事費は住棟関連が24億円、集会所2500万円を想定。既存5棟のうち、1期工事で敷地南側の3号棟を解体し、5階建て1棟と7階建て2棟の計3棟72戸を新築。工期は解体含め2年2カ月とする。2期は残り4棟を取り壊して5階建て(一部4階建て)2棟48戸を29年3月末までに整備する計画だ。団地内に空き部屋を確保するなど、工事中に住民の敷地外への転居がないよう配慮する。共同事業体の提案は、周辺の戸建て住宅の圧迫感軽減を目的に住棟を中層にした。地域に開かれた空間を目指し、敷地中央に備える中庭を囲むように住棟を二列に分けて配置することで、居住者と地域住民の交流を促したいとする。一帯は市中心部へのアクセスの良さから、ベッドタウンとして子育て世帯を中心に人気が高く、分譲マンション開発も相次ぐ。鯉港住宅の他に、イオン宇品店近くの宇品住宅(宇品東、7棟112戸)建て替えも5カ年計画に盛り込まれている。

担当記者:道本

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