広告代理店のアドリンククリエイティブエージェンシー(中区上幟町、水野崇社長)は、アバターで動画投稿するバーチャルユーチューバー(Vチューバー)を広告やプロモーションなどに活用する新事業に乗り出す。第1弾として2025年3月22日、全国のVチューバーを集めた音楽ライブイベント「Vぶらすと2025」を市内中心部で開催。1990年代以降生まれのデジタルネイティブ世代や外国人に向けた、新たなPR手段としての可能性を模索する。矢野経済研究所によると、Vチューバーの国内市場は2020年度の144億円から23年度には約800億円と4年で5倍強に成長。海外市場を含めると30年までに1兆円規模となる予測もある。有名人を企業のイメージキャラクターに据える場合に比べ低コストで、スキャンダルや炎上のリスクが少なく、表現の自由度も高い。これらを背景に花王や日清食品など、大手企業がCMに起用する例が増えており、地方での展開を図る。Vチューバーイベントは首都圏などで盛んな一方、広島では少ない。Vぶらすとのイベントは全国からVチューバー約10人を招きライブハウスのセカンドクラッチ(中区堀川町)で開く。会場の模様はオンラインでも同時に配信し、集客目標は500人。出演予定Vチューバーは公式サイト(https://www.vblast-h.com/)で順次発表する。出演者のグッズ制作・販売も計画するほか、将来は同社独自の知的財産開発も視野に入れる。水野社長は「近年、若年層への情報リーチが難しくなってきている。人気のあるVチューバーは数十万人のフォロワーがおり、SNSの高い拡散力を生かして新たなビジネスモデルを確立したい」と話した。
担当記者:高見