船舶向け電子機器製造の三工電機(呉市苗代町126-30、上川博之社長)は、高級ロードバイクや折りたたみ自転車などを所有する愛好者や富裕層向けにサイクルストレージ(自転車倉庫=画像)を開発している。一般的なシート組み立て式よりも丈夫な金属製で、工具などを収納できるようにする。本業の技術を生かし、内蔵センサーとスマートフォンによる開閉や施錠、温湿度管理などの制御も検討している。造船業の国際競争が厳しくなる中、マーケティングコンサルタントに相談し、BtoCの新規事業として企画。「ダンゴムシ」をコンセプトに複数層の金属製カバーが開閉する仕組みで、青と黒を組み合わせた配色を試作する予定。1台30〜50万円を想定し、年内にもクラウドファンディングのマクアケでのテスト販売を予定する。自社の専用サイト開設による販売、関東のサイクルショップでのサンプル販売のほか、地元の野呂山グランドヒルクライム、安芸灘とびしま海道オレンジライドなどの自転車イベントへの協賛も計画。リゾートホテルやグランピング施設などへの販売も見込む。都心部の空き地を活用してサイクルストレージを設置した貸し駐輪場のFC展開に加え、同ストレージやロードバイクを扱うサイクルショップ開設の構想もある。本業と兼務の事業担当者2人が入社した。同事業はアクティブベースくれ「幸運(グッドラック)」を受賞した。1957年10月創業。船舶用の分電盤、制御盤などの電子機器製造を手掛け、2014年7月に苗代工業団地に本社工場が完成し、広から移転。16年には塗装グループを分社化しエスワイを設立した。資本金1000万円、従業員74人。
担当記者:大谷