広島労働局は11月1〜30日、県内の労働保険未手続き事業者の撲滅に向けた周知活動を強化する。2020年度末時点で県内の未加入業者は、把握する限りで3000件を超えるという。通常は文書や電話、訪問などで事業者に直接訴求しているが、期間中は加えて自治体や関連団体、メディアに広報活動を促すほか、電車などに広告を掲載する予定。国は正社員、パート、アルバイトなど雇用形態にかかわらず労働者を1人でも雇用する事業場に労働保険加入を義務付けている。労働災害の治療には健康保険が適用されないため、未加入業者で業務上の事故や疾病があれば、労働保険料の未払い金徴収や追徴に加え、事業主に労働保険給付金の40%または全額の負担が課せられる。同局労働保険徴収課は「負担額次第で事業の存続が困難になるリスクもある。事業者が隠匿しても、従業員が通院すれば未加入が表沙汰になる。事故を起こさなければ良いという考えではなく、法律順守を訴えたい」という。
担当記者:額田