スプラウト(発芽野菜)生産で全国トップの村上農園(佐伯区五日市中央、村上清貴社長)は、月間記録を更新する11億3200万円を9月に売り上げるなど急伸し、今12月期売上高が過去最高の110億円(前年比21%増)となる見通しだ。4年ぶりの大台で、期首の予想から10億円を上方修正。健康意識が高まる中、7〜9月に高成分野菜「ブロッコリー スーパースプラウト」の出荷量が前年同期比58%増、「ブロッコリースプラウト200」が55%増と好調に推移し、業績を押し上げる。がん予防や抗酸化作用、解毒力のサポートなどが期待できる成分「スルフォラファン」が豊富な点を強みに、習慣的に食べる消費者を増やしてきた。2023年までの10年間で出荷量は約6倍に伸長。大阪公立大学の研究チームが昨年9月、ブロッコリースプラウトには感染防御や免疫応答などに重要な機能を果たすとされる「超硫黄分子」が大量に含まれると発表。今年6月にメディアで紹介されるとX(旧ツイッター)でトレンド入りし、一時はスーパーで売り切れ状態になったという。健康情報番組や雑誌の特集内容がコロナ関連主体から、がん予防や抗酸化など幅広い内容に変わったことも追い風となった。同2商品の売り上げは全体の5割以上あり、通年で前年比30〜40%増える見通し。全体の約3割を占める「豆苗」(エンドウの若菜)の売り上げも9月下旬には前月上旬と比べて70%増加。他の葉物野菜の高騰に伴い、植物工場で安定生産する価格優位性が上がり、〝節約野菜〟として認知度が高まっている。

担当記者:吉田

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