警備業のリライアンス・セキュリティー(中区舟入川口町)は、高齢者や障害者などの多様な働き方の促進、安心・安全な職場づくりの取り組みが認められ、自治体や団体から相次ぎ表彰を受けている。コロナ禍以降、社員の「健康と命を守る経営」を方針に掲げ、トップダウンで職場・労働環境・待遇の改善を続ける姿勢が評価されている。9〜10月の受賞実績は、高齢・障害・求職者雇用支援機構(千葉県)の「高年齢者活躍企業コンテスト」優秀賞、広島県の「障害者優良事業所表彰」、広島労働局の「安全衛生優良事業場」奨励賞の3件。高齢者の雇用促進に向け、希望者全員の70歳までの定年延長、一人暮らし高齢社員への緊急通報装置の無償支給などを実施。その結果、227人の社員のうち70歳以上が35人を占める。障害者雇用では、障害者専門の相談員の配置、体力に合わせた短時間勤務、職場のバリアフリー化などを展開。障害者の法定雇用率2・3%を常に上回る。働きやすく安全な職場づくりも推進。近年は夏場の熱中症対策に注力する。管理者による毎日の現場巡視、深部体温の上昇を検知するウエアラブル・ウオッチの支給、ミストファン設置など、さまざまな取り組みを進める。田中敏也社長自らが陣頭指揮を執ることで、柔軟で迅速な制度改正、待遇改善を実現させている。「きっかけはコロナ感染が広まった2020年、他社に先駆けてマスク3万枚を社員に配ったこと。社員は懸命に現場の安心・安全を守ってくれている。社員を守れるのは会社しかない。ここまでやるべきかと自問自答したこともあるが、今はこれが使命だと確信している」と話した。
担当記者:梶原