部品めっき加工の新和金属(安芸郡府中町茂陰、新谷浩之社長)は10月1日、自社運営の障害者就労移行支援事業所すみっこテラスに「就活集中コース」を設けた。一般企業への早期就職を望む入所者が就活に専念しやすい環境を提供する。通常コースよりも早く実習やトライアル雇用に取り組み、最短で入所から3カ月ほどで就職を目指せるという。通常コースでは食事や体調管理、生活リズムや感情のコントロールなど基礎的な指導から始まり半年〜1年程度かけてじっくり支援するが、就労経験者などには過剰なカリキュラムもあった。連携する広島市内の心療内科などから打診され企画。主に、病院や就労継続支援施設の紹介を通じて利用者の採用につなげる。1カ月目に対人スキルや体調管理レベルといった基礎能力の確認、強みや課題の明確化、求職条件の確認などを実施。2カ月目から同社での現場実習や外部企業での職場見学・実習を行い、3カ月目にトライアル雇用ができるよう支援する。本採用に向けて、トライアル期間中も利用者と雇用企業の双方を支援。仕事内容、労働負荷、人間関係など障害者雇用で障壁となりやすい点の相互理解を促す。新谷社長は「就労移行期間が長引けば経済的負担も増えるため、短期間での就職は求職者にとって魅力的。人手不足が話題となっているが、中小企業の障害者雇用率は極めて低い。障害者を〝抱える〟という先入観を変え、労働力として認知されるよう尽力したい」と話した。2022年4月、本社内に開所。24年6月には約1500万円を投じて活動スペースを100平方㍍に増設するなど注力している。物流業や製造業などに3人の就職実績があり、現在3人を支援。利用者を常時20人程度に増やしたいとする。
担当記者:額田