田中電機工業グループで菓子製造の平安堂梅坪(西区商工センター7-1-19、田中里佳社長)は、企業との共同開発やOEM(相手先ブランド名製造)を本格化している。9月には道の駅たかの(庄原市高野町)とコラボした「高野りんごまんじゅう」を商品化。今後もHACCP対応の生産設備を活用し、OEMなどの売上比率を現在の1割から3割にまで高め、事業の柱に育てる。高野りんごまんじゅうは同町産リンゴのコンポートを白あんに練り込み、国産小麦の生地で包んだ。甘酸っぱさが口いっぱいに広がり、冷やしてもおいしいという。広島駅弁当(東区)とは、G7サミットに合わせて開発した「広島よりどり弁当」で協働し、主力商品の一つである「柿ようかん」の製造を担った。そのほかスーパーのフレスタとはフレスタ牛乳を白あんに練りこんだ「みるく饅頭」を商品化し、農産加工事業のグランゲート(大分)とは、農家からの依頼で規格外品などを使った〝こだわり果実餡〟の大福の開発などを行っている。さまざまな企業の要望に応えることで、自社の技術力向上を図りたいとする。企業向けの焼き菓子刻印サービスでは菓子業界トップレベルとされる精巧さを生かし、QRコードの読み込みにも対応。例えば企業PRや新任あいさつといった動画へのリンクが好評という。店舗は25年3月までに「イオンタウン楽々園」(佐伯区)とゆめタウン大竹(大竹市)に新規で入り、12店舗体制とする計画。広島の新たな定番土産を目指した「もみじラスク」の商品化も進めている。
担当記者:高見