総合建設業の増岡組(中区鶴見町、増岡聡一郎社長)は、医療保険適用の介護施設「ナーシングホーム」を運営したい事業者向けに、土地取得と施設建設を代行し、施設を賃貸する事業を強化している。事業者は初期投資を抑えて開業できる。千葉県で二つの案件が進み、3年以内に計5〜6棟の受注を目指す。国は2021年に示した「地域医療構想」の中で、医療・介護の連携や病床数の適正化を掲げる。ナーシングホームは、医療・介護を一体運営し医療依存度の高い人を受け入れられる施設で、今後需要が伸びると見込む。本業の建設・不動産のノウハウを生かすほか、コンサルティング会社と連携し、職員採用や入居者募集のアドバイスなど、開業に関する業務を多面的に支援する。医療・介護保険制度を踏まえた最適な居室数などを規格化し、効率的な施設運営につなげてもらう。昨年から広島・千葉の両県で商談会を定期開催。主に既存の介護事業者などに提案営業を進める。初期投資を抑えられるほか、医療保険分の報酬増につなげられる点などを訴求する。同社は家賃収入で経営の安定化につなげる。これまで首都圏を中心に、土地の取得と建設を肩代わりする開発案件を手掛けてきた。その経験を医療・介護分野に特化したサービスに仕立てた。ナーシングホームだけではなく、同じビジネスモデルで福山市千田町に障害者グループホームの建設も進めている。
担当記者:梶原