中国税理士協同組合(中区袋町、篠原敦子理事長=GO&DO篠原税理士法人代表税理士)は7月25日から事業承継マッチングプラットフォーム「relay(リレイ)」を活用し、組合員である税理士の顧問先事業者などを対象に事業承継支援を始めた。一般的な仲介方法は初期段階に譲渡希望者の社名や詳細な企業情報が伏せられるが、最初から公開(オープンネーム)することで後継者候補を広く募る。同プラットフォーム運営のライトライト(宮崎市)と提携した。税理士協同組合では栃木県に続く2例目。後継者不在の事業者を紹介し、プラットフォームに掲載する。譲渡側から報酬をもらわず、紹介した税理士とライトライトは譲受側から手数料を得る。篠原理事長は「もうけが目的ではないため、相場よりも低い手数料に設定。税理士は顧問先企業のことが一番分かる。規模は小さくても街になくてはならない事業者は多く、事業、そして取引先と従業員を守るM&Aを促したい」と話す。同プラットフォームは経営者や店舗オーナーの横顔と思いを記事掲載。譲受側がその会社のことを理解しやすく、デロイト トーマツ ミック経済研究所の「国内ビジネスマッチングプラットフォーム市場の現状と展望」で同分野の商談率・成約率が20年度から3年連続1位という。呉市、江田島市と提携し、各市の後継者募集に特化したページも設けている。中国税理士協同組合は1976年設立で、約3300人でつくる。このうち賛助会員約800人。組合員の業務支援や共同購買、福利厚生、教育情報、研修の五つの共益事業と保険事業を行う。近年はメールマガジンやユーチューブ動画配信などで活動内容の周知を図っている。
担当記者:吉田