中国運輸局は、2025年開催の大阪・関西万博に訪れるインバウンドを管内へ誘客するため、周遊型観光ツアーづくりを計画している。昨年12月から計4回の日帰り旅行実証ツアーを実施し、旅行者・宿泊事業者から一定の評価を得られた一方で多言語対応や交通アクセスが課題だとした。近年の訪日観光客の旅行形態は欧米豪人を中心にFIT(個人旅行)化が進んでいることから、同様の層を主対象とした。ツアーは外国人旅行者からの興味関心が高いとされる「歴史」「ローカル」「交流」をテーマに、宮島などの主要観光地以外を選定。1回目は安芸高田市で「天ノ岩座神宮と大土山トレッキングツアー」、2回目は「山口市内サイクリング散策と『雪舟』作品に浸る」、3・4回目は「広島の日本酒文化を体験(西条・呉)ツアー」を実施。ツアー終了後のアンケートでは「大変満足」「まあ満足」と回答した人が大半だったものの、「自力で西条や呉の酒蔵まで行くのはハードルが高い」「拘束時間が長い」「バス席でのガイドと説明が欲しい」という意見も出た。このほかツアーの周知方法として、宿泊施設と訪日観光客から人気のある飲食店でチラシを置くことが有効だと分かった。結果を受け、今後は訪問先の再設定、移動時間の変更、外国人向けガイドの補充などを視野に内容をブラッシュアップしたいとする。

担当記者:阿戸

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