宮島対岸に位置する廿日市市の宮浜温泉街では新たな温泉源(3号井)を活用する準備が進んでいる。2025年度工事着工〜26年度供用開始をめどに宿への配湯設計とともに、共同足湯といった誰もが楽しめる施設を計画。市と宮浜温泉地域管理組合(6温泉宿泊施設、上野純一組合長)は37年までを想定した「活性化基本構想」を実現する会議を23年度から4回重ねており、県内唯一の温泉街として認知度を高め、ブランド確立を目指す。23年12月に完成した3号井は1993年供用開始の2号井と同量の毎分200㍑の源泉で、どういった使い方が温泉街の魅力を高めるか話し合いを重ねる。1号井は閉鎖。現在、8月の温泉祭りなど共同イベントを継続しているが、温泉街として散策を楽しめる環境が十分に整っていないという課題がある。周辺住民を巻き込んだ夜のたき火イベントや共通の地元食材を使った統一テーマをパッケージとした宿泊プランを検討中で、活性化構想に散策を促す仕掛けや環境整備などを盛り込み、ソフトや施設整備を進めていく。これまでに市が実施した宮浜温泉に係る基礎調査によると、宿泊施設の利用者数は19年で4万6000人強(日帰り8000人弱)。コロナ禍後の21年は2万9000人強(同3000人強)と落ち込んだが現在は回復している。宮浜温泉地域管理組合が主導し、周辺環境を生かしたヨットやカヤック、クルーズ&サイクリング、トレッキングなどの体験プログラムを用意。各宿泊施設や体験プログラムの情報発信〜手配などの窓口を整備している。年間400万人以上が来島する宮島の集客力を生かすべく、訴求力のあるコンテンツやブランドづくりを進め、温泉街としての魅力を醸成していく。

担当記者:藤井

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事